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青りんごの本棚

~10代の読書案内~

重松清 『十字架』

十字架の重みは、それを背負ったことのある者にしかわからない。 胸に刺さった傷は、すごく痛くて、なかなか立ち直れなかったり、致命傷になることだってあるけれど、生きていればいつか癒すこともできる。 誰かを失ってしまった十字架は、一度背負ってしま…

まはら三桃 『白をつなぐ』

新春の駅伝といえば、「箱根駅伝」だけではない 。 毎月一月の中旬に行われる、全国男子駅伝大会。 中学生から社会人までがたすきをつなぐ、都道府県対抗駅伝。女子は京都で、男子は一週間後に広島で開催される。この本を読んだ2016年の大会は、雪が降る中の…

ABC! 曙第二中学校放送部

Akebono Broadcasting Club(アケボノ ブロードキャスティング クラブ)略してABC。 曙第二中学校放送部は、2年生のみさとと古場和人の部員がふたりだけ。黒縁眼鏡で、ひょろりと頼りなさげな古場は、部長を引き受けてくれたものの機材おたくで人前で話すの…

重松清『エイジ』

ぼくの名はエイジ。東京郊外・桜ヶ丘ニュータウンにある中学の二年生。その夏、町には連続通り魔事件が発生して、犯行は次第にエスカレートし、ついに捕まった犯人は、同級生だった―。その日から、何かがわからなくなった。ぼくもいつか「キレて」しまうんだ…

梨木香歩 『西の魔女が死んだ』

「西の魔女が死んだ。」 中学生になってまもなく、学校へ行けないまい。まいは祖母のもとで一緒に「魔女修行」をしながら暮らすことになった。 豊かな自然に囲まれ、あるがままを受け入れてくらすこと。そして、祖母のいう「魔女修行」とは、何でも自分で決…

中沢けい『楽隊ウサギ』

「君、吹奏楽部に入らないか?」「エ、スイソウガク!?」 学校にいる時間をなるべく短くしたい、引っ込み思案の中学生・克久は、入学後、ブラスバンドに入部する。先輩や友人、教師に囲まれ、全国大会を目指す毎日。少年期の多感な時期に、戸惑いながらも音楽…

魚住直子『非・バランス』

学校での私のルール。一つ、クールに生きていく。一つ、友だちはつくらない。そんな私がある日、学校中でうわさの、願いごとをかなえてくれるという”ミドリノオバサン”に会った。彼女が言った言葉は「タスケテ」 集団の中でうまくバランスをとっていくって、…

瀬尾まいこ『僕の明日を照らして』

ママの再婚相手の優ちゃんは歯科医師でカッコよくて、優しい。そして、時々キレて、僕に暴力をふるう。ママと僕と優ちゃんと、僕はこの幸せを失いたくないから、誰かに話すつもりなんてない。中学2年生の隼太の、戦いと成長の日々をつづる。 子供たちは、本…

三輪裕子『優しい音』

クラスで仲の良かった香澄たちから無視されるようになった千波。ある日、千波の携帯に「しおかぜ」と名乗る人からのメールが届くようになる。「しおかぜ」は、千波の近くにいる人物のようだが…。はじめはひとりでうじうじと悩んでいた千波が、しおかぜのメー…

風野潮 『ビート・キッズ』

ドラムのひびきは、俺の心の花火やねん!英二がたたく。七生(ななお)が打つ。ふたりの大阪少年が、16ビートで笑って泣かせる!青春ビート小説。 横山英二は中学二年生の帰宅部。突然、吹奏楽部のパーカスに誘われる。英二に興味を持った菅野七生は、地元じ…

まはら三桃『カラフルな闇』

第46回講談社児童文学新人賞佳作受賞作「オールドモーブな夜」を書き改めた。 文化祭で目にした一枚の絵。使い込んだ絵具のスポンジのような空の色、黒い紫色の細長い影のようなもの。気持ち悪い色使いの水彩画に、なぜか志帆は心ひかれた。そして、絵を描い…

笹生陽子『世界がぼくを笑っても』

「われらが浦沢中学にすごい先生がやってくるってさ―」中学二年生になる春休み、北村ハルトは、浦沢中の非公式サイトの掲示板にこんなカキコミを見つけた。 そして始業式、ハルトのクラスに担任としてやってきたのは軟弱そうでやぼったい男、小津ケイイチロ…

藤田のぼる『錨を上げて』

1964年、東京オリンピックがひらかれた年。東北の小さな町の青木中学吹奏楽部は、ここ数年ステージに立ったことがない弱小ブラスバンド。 中学卒業まであと数カ月。高校受験や就職への悩みや不安、人生の岐路に立ちそれぞれの思いをこめて、地区演奏会出場に…

梨屋アリエ『でりばりぃAge』

中学2年生のマナコは、私立G高校の教室で、友だちと夏期講習を受けていた。たぶん2年後にはこの高校に通うことになる。だけど、なぜかそのことが息苦しい…。そんな時、雨が降り始め、窓から見える隣の家の庭、物干しにかかる真っ白なシーツに心を奪われて…

千原ジュニア『14歳』

著者は、吉本興業所属、実兄・千原靖史とのお笑いコンビ”千原兄弟”の千原ジュニア。ちょっと毒舌でひねりのきいたしゃべりが小気味よく、頭の回転の速さもうかがえる著者のリアルな14歳をつづった自伝的小説。 小説というより、心の叫びが直球で飛んでくる…

朽木祥 『風の靴』 

海生(かいせい)は、お兄ちゃんが通う難関中学への受験に失敗して、公立中に通う一年生。3年後の高等科受験をさせようとしている両親の会話を聞き、海生は気がめいる。「もう、ほんとにサイテーだ。しかし、1か月もしないうちに、もっとサイテーなことが…

魚住直子『大盛りワックス虫ボトル』

想い想われ振り振られ、みたいなごゴロ合わせ、なんのこっちゃ!?な、このタイトル。読めばわかります。 江藤公平は地味な中学2年生。クラスでも目立たない、いや、むしろ存在感が薄いといっていい。同じ小学校出身の奴に「江藤はどこ小?」なんて、意地悪…

佐藤多佳子『聖夜 ― School and Music』

クリーム色の背景に教会のイラスト、シンプルな表紙が綺麗ですよね。そもそもは別冊文芸春秋で音楽と学校を二本柱にした短編集のシリーズのひとつ。でもこの作品、1冊丸ごとストーリー。短編ではありません。書いているうちに、掌編・短編・中編・長編となっ…

森絵都『カラフル』

自殺したはずの小林真の体にホームステイすることになったぼく。天使によると、輪廻のサイクルに戻るためには、誰かの体にホームステイして自分の犯した罪を思い出さなくてはならないのだ。ぼくは自分のおかした罪を思い出し、再び輪廻のサイクルに戻ること…

佐藤多佳子『第二音楽室―School and Music』

長編『聖夜』と合わせて「音楽×学校」をテーマにしたシリーズ。音楽に携わっている人なら共感できる部分が多いはず。 ピアニカやフルート、音楽の授業テストなど、身近な「音楽」をテーマに、学校での友だちとの関係や恋心を描いているので、音楽に興味なし…

花形みつる『アート少女―根岸節子とゆかいな仲間たち』

美術部というと、運動が苦手で学校の中ではどちらかというと消極的な人種というイメージ(いや、モデルはいませんよ)ですが、この本に出てくる「根岸節子とゆかいな仲間たち」は、そんなイメージと180度違う。 部室を守るべく学校に立てこもり、花火騒動…

八束澄子 『オレたちの明日に向かって』

勇気は、ごくごく普通の中学生。自分ではぱっとしないって思っているみたいだけど。ジョブトレーニングの講師として学校にやってきたのは、勇気の母がいつもお世話になっている保険屋さんの今井さん。 今井さんの保険屋さんをジョブトレーニングに決めた勇気…

市川朔久子『紙コップのオリオン』

生徒会や委員会活動って部活動に比べて、地味というか、注目度も熱中度も低めなのはなんでだろう。内申では好感度が高めという理由で「所属」したいって人は多いみたいだけど。それって、どうなの。 論里(ろんり)は中学2年生。ある日、母さんが書き置きを…

林慧樹『いじめ 14歳のMessage』

著者が14歳の時に、自身のいじめ体験を基に書いた小説です。中学2年生の彗佳は、イジメられていた同級生をかばったことで、自分がいじめのターゲットになります。 いじめはだんだんとエスカレートして…。 著者はきっと、ほんわかとした、それでいて凛とした…

濱野京子 『石を抱くエイリアン』

2010年ー2011年3月、中学3年生だった彼らの物語。 サッカーの勝利に喜び、文化祭を乗り越え、だれかを好きになる。いつもの毎日が当たり前にあることが、とても尊い。 当たり前に、ずっとそこにあると思ったものが永遠でないと知る。 それを知っている子は…

重松清『赤ヘル1975』

赤ヘルとは、どんぴしゃり「カープ軍団」のこと。この時代をリアルに体験してきたカープファンの方には、迷わず購入されることをおすすめします。 日本で唯一の市民球団である広島カープが、最下位を脱して優勝するまでの劇的な数か月とリンクして、三人の少…

重松清 『ゼツメツ少年』

「だって、同じだろ、俺たち、クジラの祖先と。このままだと、俺たち絶滅しちゃうと思わないか?」 <センセイにお願いがあるのです。僕たちのことを小説にしてくれませんか?>小説家のセンセイの元に届いた手紙。 どこにも居場所がない、タケシ・リュウ・…

灰谷健次郎『手と目と声と』

娘が、『太陽の子』読んで以来、灰谷さんにハマっている。 私の好きな作家さんでもあるので、ふたりでそんな話で盛り上がってばっかりいるからか、珍しく息子(小6)が学校の図書館から借りてきた。 珍しく、というのは、ふだんは私のすすめる本はあまり読…

村中李衣『チャーシューの月』

児童養護施設を舞台に、そこに暮らす子どもたちを描く。 こちら、読書感想文コンクールの課題図書。 せっかく中学生の女の子が主人公なのだから、もっと踏み込んだ思いが読みたかったなぁというところ。高学年向けでもよかったかも。美香が、どこか第三者的…

川島誠『神様のみなしご』

たまたま、なのだけれど。一昨日、図書館の予約本『きみはいい子』を受け取って、家に帰ると本が届いた。 たまたま、なのだけれど、どちらもやりきれなさのある物語。 続けて読むと相乗効果で、さみしくなる。 『ほかの誰も薦めなかったとしても今のうちに読…

石井睦美『卵と小麦粉それからマドレーヌ』

先日読んだ『コンビニたそがれ堂』のページの後ろで紹介されていて、読みたくなった本。 ポプラ文庫ピュアフルいいなぁ。タイトルに偽りなしという感じで。中学生女子にぴったりなやわらかさと、爽やかさと、しっくりくる文章と。 中学に入学したばかりの菜…

泉啓子『晴れた朝それとも雨の夜』

中学生女子の3つの恋のオムニバス。 著者は小学生向け児童文学作家というイメージがあり、あまり期待していなかったのだけど、初々しく瑞々しい中学生の恋のお話3編にすっかりハマってしまった。(読書中はすっかり自分の年齢を忘れてる…) 主人公の女の子…

相沢沙呼 『雨の降る日は学校に行かない』

教室の中にうまく自分の居場所を見つけられない女の子たちの6つの物語。 たくさんの中にいるからこそ、だれかにわかって欲しいという思いは強くなるのかもしれない。本当にひとりなら寂しさなんて感じることもないのかな。 どのおはなしも女の子が主人公。…

草野たき『反撃』

どのクラスにもいるような、おとなしめのふつうの女の子たち。でもね、ただ黙って、いまの状況に埋もれているわけじゃないのよ。自分の武器をもって、静かに立ち上がる5人の中学生女の子の物語。女の子なら、共感できるおはなしがあるんじゃないかな。 もく…

加藤千恵『春へつづく』

北国の中学校を舞台にした連作短編。 少し遅い桜の季節にはじまった物語が、季節のうつろいと共に語り手を変え進んでゆくのだけれど、語り手は中学生だけじゃないってところもポイントだったりする。 みんな順風満帆というわけにはいかなくて、悩みを抱えた…

本山理咲『いじめ 心の中がのぞけたら―漫画 明日がくる』

読者の投稿を漫画化 朝日中高生新聞を購読しています。 充実した記事を押しのけて、子どもも私も真っ先に読むのが、この漫画『明日がくる』のコーナー。 投稿欄「いじめ掲示板」に寄せられた体験談をもとに創作しているから、中学生のリアルな声がそのまま漫…

森絵都『宇宙のみなしご』

屋根にのぼったことある? 陽子は14歳、衝動的でせっかちな性格。ひとつ年下のリンは、陽子とは正反対のおだやかな性格の弟。両親が自営業で忙しく、家にいないことも多かった。テレビやゲームじゃつまらない陽子とリンは小さいころからおもしろいことを見…

吉野万里子 『赤の他人だったら、どんなによかったか。』

通り魔事件の犯人が・・・ 風雅は中学二年生。ある日、となり町で無差別殺傷事件が起こる。犯人はまもなく捕まったが、風雅のクラスでも毎日、その話題でもちきり。事件を面白がっていた風雅だったが、その犯人が自分と遠い親戚だと知る。そして、自分と同じ…

小手鞠るい 『思春期』 

「未来は明るい」なんてだれが決めたのでしょう これは、ある女の子の中学1年生から3年生までの物語。 十二歳、中学一年生のわたしの私は、学校が好きではありません。学校へ行くときは、気分が重く、体も重く、かばんも重く、足どりも重くなります。行き…

森絵都『クラスメイツ』

1年A組24人の24色 中学生になった。新しい教室、新しいクラスメイト。仲のいい友だちと別れた心細さもあるけれど、いつの間にかポニーテールのえりあしにも慣れるし、制服のスカーフだってうまく結べるようになる。 中学生になった春から、次の春まで。男子…

アンドリュー・クレメンツ 『はるかなるアフガニスタン』

はるかなるアフガニスタン (文学の扉) 作者: アンドリュー・クレメンツ,田中奈津子 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2012/02/29 メディア: 単行本 クリック: 1回 この商品を含むブログを見る アメリカ・イリノイ州に住む女の子アビーは、勉強があまり好きじ…

李文烈『われらの歪んだ英雄』

ふと、韓国文学を読んでみたいと思い立つ。調べてみると、著者は韓国では圧倒的人気の超ベストセラー作家さんだそうで、この作品は「アジア文学最高峰」とヨーロッパで絶賛されているそう。アジアに住んでいるのに、恥ずかしながら、全く知りませんでした。…

重松清『希望の地図3.11から始まる物語』

希望の地図 3・11から始まる物語 (幻冬舎文庫) 作者: 重松清 出版社/メーカー: 幻冬舎 発売日: 2015/02/10 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (1件) を見る 日刊ゲンダイにて2011年9月より2012年2月まで連載されたもの。2011年3月11日におこった東日本大…

那須田淳 『星空ロック』

14歳でひとり旅をしたことのある人ってどのくらいいるんだろう?クラスにひとりいるかな?いや、いないなぁ。おばあちゃんちに帰省は旅行に含まれませんよ。(バナナはおやつに含まれないニュアンスで) そもそも、きょうびの日本に「はい、行っといで」と…

石崎洋司 『チェーン・メール』

このサイトでは、amazon.comでアフィリエイトをさせていただいています。レビューを読んで(もしくはたまたまリンクで訪れてちゃっただけの方もいらっしゃるかもしれませんが)、本を購入してくれる方がいらっしゃるというのは、とてもありがたく、わたしに…

白河三兎 『私を知らないで』

書店で目が合った。タイトルが秀逸。鮮やかなオレンジの表紙が綺麗。金原瑞人が解説を寄せている。 ページをめくらずにいられない。「どうしてウサギの耳は長いの?」書き出しの一文で、買わずにいられなくなる。 うさぎには、めっぽう弱い。(私はうさぎは…