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青りんごの本棚

~10代の読書案内~

まはら三桃 『白をつなぐ』

新春の駅伝といえば、「箱根駅伝」だけではない 。 毎月一月の中旬に行われる、全国男子駅伝大会。 中学生から社会人までがたすきをつなぐ、都道府県対抗駅伝。女子は京都で、男子は一週間後に広島で開催される。この本を読んだ2016年の大会は、雪が降る中の…

ABC! 曙第二中学校放送部

Akebono Broadcasting Club(アケボノ ブロードキャスティング クラブ)略してABC。 曙第二中学校放送部は、2年生のみさとと古場和人の部員がふたりだけ。黒縁眼鏡で、ひょろりと頼りなさげな古場は、部長を引き受けてくれたものの機材おたくで人前で話すの…

死なないで!ー 一九四五年真岡郵便局「九人の乙女」

1945年8月15日、日本はポツダム宣言の受諾を宣言し、戦争の終結を告げました。戦争を知らない世代の私たちも、この日を「終戦記念日」として、知らない人はいないでしょう。もし知らなかったらいまここで覚えて帰ろうね。 戦争が終わってここからは平和にな…

重松清『エイジ』

ぼくの名はエイジ。東京郊外・桜ヶ丘ニュータウンにある中学の二年生。その夏、町には連続通り魔事件が発生して、犯行は次第にエスカレートし、ついに捕まった犯人は、同級生だった―。その日から、何かがわからなくなった。ぼくもいつか「キレて」しまうんだ…

乙武洋匡『だいじょうぶ3組』

ぼくらの先生は車いす⁉ 新学期、ぼくらのクラスの新しい先生は、電動車いすに乗って手と足がない先生だった!! 『五体不満足』の著者・乙武さんが、公立小学校での三年間の教員経験をもとに描いたフィクションです。小説に出てくる赤尾先生のモデルは、乙武さ…

堀米薫『チョコレートと青い空』

周二は小学5年生。おとうさんとおかあさん、妹のゆりと周二、そして反抗期でいつも機嫌の悪い兄・一樹の5人家族。専業農家の周二の家に、アフリカのガーナからエリックが日本の農業を勉強するためにやってきた。 明るくてよく働く、ガーナの国と家族が大好…

福田隆浩『ブルーとオレンジ』

教室の中には、目には見えないカースト制度がある。 カースト制度っていうのは、力関係のこと。 スポーツが得意、頭がいい、おもしろいとかクラスで人気のある人がそのカーストのトップにいる。なぜか怖い人とか意地悪な人が、このトップにいることも多いん…

まはら三桃『なみだの穴』

泣きたい気持ちになった時。 それはなみだの穴があらわれた時だよ。 引越しで友達と別れることになった光太、甘いものを我慢してレスリングに励む真矢。一生懸命だからちょっぴり泣きたい時もある。なみだの穴が現れたら、我慢していた涙があふれだして…。 …

岩瀬成子『きみは知らないほうがいい』

ミステリアスなタイトルと、長谷川さんの描く女の子が妙に引っかかって、気になっていた本。 おばあちゃんの家に行くために乗ったバスの中で、米利(めり)は偶然クラスメイトの昼間くんと出会う。昼間くんは6年生になってから転校してきた男の子。「どこに…

草野たき『ハッピーノート』

聡子は、中学受験のために塾へ通う小学6年生の女の子。でも、塾に通う本当の理由はちょっと違う。学校では、強い女の子に合わせているようなつまんない毎日。もっと楽しい・新しい世界を見つけたくて塾へ通うことに決めたけれど…。 学校という小さい世界か…

三船恭太郎『12歳の空』

「ヘチマと僕と、そしてハヤ」で「第二回12歳の文学賞」大賞受賞した、三船恭太郎くん(どうしても君付けしたくなるのは、彼に坊主頭が似合いすぎるせいだろう)。12歳の文学のハードルも知名度も彼が一気に押し上げたといっても過言ではないでしょう。 そ…

濱野京子『木工少女』

英語教師の父親の転勤で、小学校生活最後の一年間を山奥の小さな村で過ごすことになった主人公、美楽(みらく)。 東京練馬育ちの美楽には、コンビニもじゃがりこもないド田舎の生活も、たった一年だけのクラスメートもなじめない。(というか、なじむつもり…

岡田依世子『ぼくらが大人になる日まで』

中学受験を目前に控えた小6たちの物語 自分のために、あるいは親のために。何かをめざして、あるいは何かから逃れようとして。それぞれの理由を抱え受験するために進学塾に通う六人の物語。 目指す受験の先に何があるのか。―ぼくたちは大人を信じていいのか…

伊藤たかみ『ミカ!』

子供でいたい。大人になんてなりたくないこっそり流す涙のむこうには幸せな明日がある。双子のミカとユウスケの瑞々しい小学校ライフ。 おっぱいもいらない、スカートキライッ、女の子になんてなりたくない!!オトコオンナと呼ばれるミカと、そんなミカをあッ…

吉橋通夫『風の海峡』

青い海峡をはさんだふたつの国。日本と朝鮮―。背のびをすれば島影が見えるほど近い。話す言葉は違うが、顔立ちはそっくり。どちらの国も、声mを主食にし、漢字を使い、移り変わる四季をいつくしみながら暮らしてきた。梅の香りに春を感じ、モモの甘さに夏を…

中沢けい『楽隊ウサギ』

「君、吹奏楽部に入らないか?」「エ、スイソウガク!?」 学校にいる時間をなるべく短くしたい、引っ込み思案の中学生・克久は、入学後、ブラスバンドに入部する。先輩や友人、教師に囲まれ、全国大会を目指す毎日。少年期の多感な時期に、戸惑いながらも音楽…

魚住直子『非・バランス』

学校での私のルール。一つ、クールに生きていく。一つ、友だちはつくらない。そんな私がある日、学校中でうわさの、願いごとをかなえてくれるという”ミドリノオバサン”に会った。彼女が言った言葉は「タスケテ」 集団の中でうまくバランスをとっていくって、…

瀬尾まいこ『僕の明日を照らして』

ママの再婚相手の優ちゃんは歯科医師でカッコよくて、優しい。そして、時々キレて、僕に暴力をふるう。ママと僕と優ちゃんと、僕はこの幸せを失いたくないから、誰かに話すつもりなんてない。中学2年生の隼太の、戦いと成長の日々をつづる。 子供たちは、本…

三輪裕子『優しい音』

クラスで仲の良かった香澄たちから無視されるようになった千波。ある日、千波の携帯に「しおかぜ」と名乗る人からのメールが届くようになる。「しおかぜ」は、千波の近くにいる人物のようだが…。はじめはひとりでうじうじと悩んでいた千波が、しおかぜのメー…

風野潮 『ビート・キッズ』

ドラムのひびきは、俺の心の花火やねん!英二がたたく。七生(ななお)が打つ。ふたりの大阪少年が、16ビートで笑って泣かせる!青春ビート小説。 横山英二は中学二年生の帰宅部。突然、吹奏楽部のパーカスに誘われる。英二に興味を持った菅野七生は、地元じ…

まはら三桃『カラフルな闇』

第46回講談社児童文学新人賞佳作受賞作「オールドモーブな夜」を書き改めた。 文化祭で目にした一枚の絵。使い込んだ絵具のスポンジのような空の色、黒い紫色の細長い影のようなもの。気持ち悪い色使いの水彩画に、なぜか志帆は心ひかれた。そして、絵を描い…

笹生陽子『世界がぼくを笑っても』

「われらが浦沢中学にすごい先生がやってくるってさ―」中学二年生になる春休み、北村ハルトは、浦沢中の非公式サイトの掲示板にこんなカキコミを見つけた。 そして始業式、ハルトのクラスに担任としてやってきたのは軟弱そうでやぼったい男、小津ケイイチロ…

藤田のぼる『錨を上げて』

1964年、東京オリンピックがひらかれた年。東北の小さな町の青木中学吹奏楽部は、ここ数年ステージに立ったことがない弱小ブラスバンド。 中学卒業まであと数カ月。高校受験や就職への悩みや不安、人生の岐路に立ちそれぞれの思いをこめて、地区演奏会出場に…

梨屋アリエ『でりばりぃAge』

中学2年生のマナコは、私立G高校の教室で、友だちと夏期講習を受けていた。たぶん2年後にはこの高校に通うことになる。だけど、なぜかそのことが息苦しい…。そんな時、雨が降り始め、窓から見える隣の家の庭、物干しにかかる真っ白なシーツに心を奪われて…

福田隆浩『この素晴らしき世界に生まれて』

本を読むことの一番の醍醐味は、本の世界を楽しむことだと思うのですが、中にはそこからさらに、読んでいる人を励ましたり勇気づけてくれる本というのがあります。この本も、そんな本だといえます。 里美は、聾学校に通う小学6年生。補聴器なしではほとんど…

朽木祥 『風の靴』 

海生(かいせい)は、お兄ちゃんが通う難関中学への受験に失敗して、公立中に通う一年生。3年後の高等科受験をさせようとしている両親の会話を聞き、海生は気がめいる。「もう、ほんとにサイテーだ。しかし、1か月もしないうちに、もっとサイテーなことが…

魚住直子『大盛りワックス虫ボトル』

想い想われ振り振られ、みたいなごゴロ合わせ、なんのこっちゃ!?な、このタイトル。読めばわかります。 江藤公平は地味な中学2年生。クラスでも目立たない、いや、むしろ存在感が薄いといっていい。同じ小学校出身の奴に「江藤はどこ小?」なんて、意地悪…

佐藤多佳子『聖夜 ― School and Music』

クリーム色の背景に教会のイラスト、シンプルな表紙が綺麗ですよね。そもそもは別冊文芸春秋で音楽と学校を二本柱にした短編集のシリーズのひとつ。でもこの作品、1冊丸ごとストーリー。短編ではありません。書いているうちに、掌編・短編・中編・長編となっ…

森絵都『カラフル』

自殺したはずの小林真の体にホームステイすることになったぼく。天使によると、輪廻のサイクルに戻るためには、誰かの体にホームステイして自分の犯した罪を思い出さなくてはならないのだ。ぼくは自分のおかした罪を思い出し、再び輪廻のサイクルに戻ること…

佐藤多佳子『第二音楽室―School and Music』

長編『聖夜』と合わせて「音楽×学校」をテーマにしたシリーズ。音楽に携わっている人なら共感できる部分が多いはず。 ピアニカやフルート、音楽の授業テストなど、身近な「音楽」をテーマに、学校での友だちとの関係や恋心を描いているので、音楽に興味なし…

花形みつる『アート少女―根岸節子とゆかいな仲間たち』

美術部というと、運動が苦手で学校の中ではどちらかというと消極的な人種というイメージ(いや、モデルはいませんよ)ですが、この本に出てくる「根岸節子とゆかいな仲間たち」は、そんなイメージと180度違う。 部室を守るべく学校に立てこもり、花火騒動…

八束澄子 『オレたちの明日に向かって』

勇気は、ごくごく普通の中学生。自分ではぱっとしないって思っているみたいだけど。ジョブトレーニングの講師として学校にやってきたのは、勇気の母がいつもお世話になっている保険屋さんの今井さん。 今井さんの保険屋さんをジョブトレーニングに決めた勇気…

市川朔久子『紙コップのオリオン』

生徒会や委員会活動って部活動に比べて、地味というか、注目度も熱中度も低めなのはなんでだろう。内申では好感度が高めという理由で「所属」したいって人は多いみたいだけど。それって、どうなの。 論里(ろんり)は中学2年生。ある日、母さんが書き置きを…

林慧樹『いじめ 14歳のMessage』

著者が14歳の時に、自身のいじめ体験を基に書いた小説です。中学2年生の彗佳は、イジメられていた同級生をかばったことで、自分がいじめのターゲットになります。 いじめはだんだんとエスカレートして…。 著者はきっと、ほんわかとした、それでいて凛とした…

濱野京子 『石を抱くエイリアン』

2010年ー2011年3月、中学3年生だった彼らの物語。 サッカーの勝利に喜び、文化祭を乗り越え、だれかを好きになる。いつもの毎日が当たり前にあることが、とても尊い。 当たり前に、ずっとそこにあると思ったものが永遠でないと知る。 それを知っている子は…

灰谷健次郎『手と目と声と』

娘が、『太陽の子』読んで以来、灰谷さんにハマっている。 私の好きな作家さんでもあるので、ふたりでそんな話で盛り上がってばっかりいるからか、珍しく息子(小6)が学校の図書館から借りてきた。 珍しく、というのは、ふだんは私のすすめる本はあまり読…

村中李衣『チャーシューの月』

児童養護施設を舞台に、そこに暮らす子どもたちを描く。 こちら、読書感想文コンクールの課題図書。 せっかく中学生の女の子が主人公なのだから、もっと踏み込んだ思いが読みたかったなぁというところ。高学年向けでもよかったかも。美香が、どこか第三者的…

川島誠『神様のみなしご』

たまたま、なのだけれど。一昨日、図書館の予約本『きみはいい子』を受け取って、家に帰ると本が届いた。 たまたま、なのだけれど、どちらもやりきれなさのある物語。 続けて読むと相乗効果で、さみしくなる。 『ほかの誰も薦めなかったとしても今のうちに読…

石井睦美『卵と小麦粉それからマドレーヌ』

先日読んだ『コンビニたそがれ堂』のページの後ろで紹介されていて、読みたくなった本。 ポプラ文庫ピュアフルいいなぁ。タイトルに偽りなしという感じで。中学生女子にぴったりなやわらかさと、爽やかさと、しっくりくる文章と。 中学に入学したばかりの菜…

泉啓子『晴れた朝それとも雨の夜』

中学生女子の3つの恋のオムニバス。 著者は小学生向け児童文学作家というイメージがあり、あまり期待していなかったのだけど、初々しく瑞々しい中学生の恋のお話3編にすっかりハマってしまった。(読書中はすっかり自分の年齢を忘れてる…) 主人公の女の子…

草野たき『反撃』

どのクラスにもいるような、おとなしめのふつうの女の子たち。でもね、ただ黙って、いまの状況に埋もれているわけじゃないのよ。自分の武器をもって、静かに立ち上がる5人の中学生女の子の物語。女の子なら、共感できるおはなしがあるんじゃないかな。 もく…

森絵都『宇宙のみなしご』

屋根にのぼったことある? 陽子は14歳、衝動的でせっかちな性格。ひとつ年下のリンは、陽子とは正反対のおだやかな性格の弟。両親が自営業で忙しく、家にいないことも多かった。テレビやゲームじゃつまらない陽子とリンは小さいころからおもしろいことを見…

吉野万里子 『赤の他人だったら、どんなによかったか。』

通り魔事件の犯人が・・・ 風雅は中学二年生。ある日、となり町で無差別殺傷事件が起こる。犯人はまもなく捕まったが、風雅のクラスでも毎日、その話題でもちきり。事件を面白がっていた風雅だったが、その犯人が自分と遠い親戚だと知る。そして、自分と同じ…

小手鞠るい 『思春期』 

「未来は明るい」なんてだれが決めたのでしょう これは、ある女の子の中学1年生から3年生までの物語。 十二歳、中学一年生のわたしの私は、学校が好きではありません。学校へ行くときは、気分が重く、体も重く、かばんも重く、足どりも重くなります。行き…

森絵都『クラスメイツ』

1年A組24人の24色 中学生になった。新しい教室、新しいクラスメイト。仲のいい友だちと別れた心細さもあるけれど、いつの間にかポニーテールのえりあしにも慣れるし、制服のスカーフだってうまく結べるようになる。 中学生になった春から、次の春まで。男子…

灰谷健次郎『太陽の子』

ふうちゃんは、神戸生まれの女の子。おとうさんとおかあさんは沖縄出身で、神戸の下町で琉球料理の店「てだのふあ・おきなわ亭」を営んでいる。やさしい常連さんたちに囲まれて明るく育ったふうちゃんだが、六年生になった頃、おとうさんが心の病気で苦しむ…

濱野京子 『ヘヴンリープレイス』

ヘヴンリープレイス (ノベルズ・エクスプレス) 作者: 濱野京子 出版社/メーカー: ポプラ社 発売日: 2010/07/02 メディア: 単行本 クリック: 7回 この商品を含むブログ (3件) を見る 引っ越した夏休み。中学受験を控えて、壁にぶつかっている小6の和希(かず…

ポール・フライシュマン『種をまく人』

種をまく人 作者: ポール・フライシュマン,Paul Fleischman,片岡しのぶ 出版社/メーカー: あすなろ書房 発売日: 1998/07 メディア: 単行本 購入: 5人 クリック: 71回 この商品を含むブログ (14件) を見る 原題は『SEED FOLKS』SEEDは「種」、FOLKSは「人びと…

ルイス・サッカー『穴 HOLES』

ばかばかしいような現実はどこにだってあって、そこから抜け出す力もそこにある。人生を逆転させるスタンリーの大冒険は、期待以上にユーモラスで、おもしろかった。 穴 HOLES (講談社文庫) 作者: ルイス・サッカー,幸田敦子 出版社/メーカー: 講談社 発売日…

こんにちはアグネス先生―アラスカの小さな学校で

こんにちはアグネス先生―アラスカの小さな学校で (あかね・ブックライブラリー) 作者: カークパトリックヒル,朝倉めぐみ,Kirkpatrick Hill,宮木陽子 出版社/メーカー: あかね書房 発売日: 2005/06 メディア: 単行本 クリック: 10回 この商品を含むブログ (8…