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青りんごの本棚

~10代の読書案内~

ファビオ・ジェーダ『海にはワニがいる』

ひとことで言うと、アフガニスタンに生まれた少年が、安住の地を求め旅をする日々を事実に基づきまとめられた物語である。 しかし、少年エナヤットッラー・アクバリの人生が、こんなかんたんな一文で片付けられるほど簡単なものではないということは、まだ本…

デイヴィッド・ベニオフ『卵をめぐる祖父の戦争』

「ナイフの使い手だった私の祖父は十八歳になるまえにドイツ人をふたり殺している。」 ロスアンジェルスで脚本家として活躍するデイヴィットが、祖父から聞いたレニングラードでの体験を綴ったのがこちらの小説。 1942年のレニングラード、17歳のレフは、思…

タチアナ・ドロネ『サラの鍵』

1942年、ナチスの占領下のパリ。7月16日の早朝、フランス警察はユダヤ人13000人以上を一斉検挙した。彼らのほとんどはその後アウシュビッツに送られる。連行寸前、10歳の少女サラは弟のミッシェルを納戸に隠し、鍵をかけた。「あとでもどってきて、出してあ…

オー・ヘンリーショートストーリーセレクション

アメリカ文学を代表するショートストーリーの名手、現代ショートショートの源流がここに。 予測していないような秀逸なオチに思わず「うまいっ!」とうなる。機転を利かせたストーリーに、しんみりさせられたりり、にやりとさせられたり。 いつも淡々とした…

カズオ・イシグロ『わたしを離さないで』

わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫) 作者: カズオ・イシグロ,土屋政雄 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 2008/08/22 メディア: 文庫 購入: 32人 クリック: 197回 この商品を含むブログ (313件) を見る ブッカー賞候補の静かなる近未来SF このおしゃれな…

ポール・フライシュマン『種をまく人』

種をまく人 作者: ポール・フライシュマン,Paul Fleischman,片岡しのぶ 出版社/メーカー: あすなろ書房 発売日: 1998/07 メディア: 単行本 購入: 5人 クリック: 71回 この商品を含むブログ (14件) を見る 原題は『SEED FOLKS』SEEDは「種」、FOLKSは「人びと…

ジョイス・キャロル・オーツ『二つ、三ついいわすれたこと』

いま、ひとりで悩みを抱えている人に読んでみてほしい1冊。 二つ、三ついいわすれたこと (STAMP BOOKS) 作者: ジョイス・キャロル・オーツ,神戸万知 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2014/01/29 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログ …

ルイス・サッカー『穴 HOLES』

ばかばかしいような現実はどこにだってあって、そこから抜け出す力もそこにある。人生を逆転させるスタンリーの大冒険は、期待以上にユーモラスで、おもしろかった。 穴 HOLES (講談社文庫) 作者: ルイス・サッカー,幸田敦子 出版社/メーカー: 講談社 発売日…

とうもろこしの乙女、あるいは七つの悪夢 ---ジョイス・キャロル・オーツ傑作選

著者はアメリカ文学界の中で、多作で知られる作家さん。ミステリー・ホラー・児童書などの小説のほか、詩や戯曲なども手掛ける幅広い作家さんでもあります。近年ではノーベル文学賞候補として名前があがることも。作品を読んで男性的だと思っていたら、実は…

ジェイ・アッシャー『13の理由』

クレイ宛てに届いた小包の中に入っていたのは、7本のカセットテープ。 これからわたしの人生について話します。もっと正確に言うと、どうしてわたしの人生が終わったのかっていう話。このテープを聞いているあなたは、その理由のひとつです。 それは、二週間…

コルネーリアフンケ『どろぼうの神さま』

どろぼうの神さま 作者: コルネーリアフンケ,Cornelia Funke,細井直子 出版社/メーカー: WAVE出版 発売日: 2002/04 メディア: ハードカバー 購入: 3人 クリック: 9回 この商品を含むブログ (31件) を見る 12歳の少年プロスパーと5歳になる弟のボーは、読書好…

もちろん返事をまってます

もちろん返事をまってます (新しい世界の文学) 作者: ガリアロンフェデル・アミット,安藤由紀,Galila Ron‐feder‐Amit,母袋夏生 出版社/メーカー: 岩崎書店 発売日: 1999/07 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (2件) を見る ノアとドウディはどちらも11…

こんにちはアグネス先生―アラスカの小さな学校で

こんにちはアグネス先生―アラスカの小さな学校で (あかね・ブックライブラリー) 作者: カークパトリックヒル,朝倉めぐみ,Kirkpatrick Hill,宮木陽子 出版社/メーカー: あかね書房 発売日: 2005/06 メディア: 単行本 クリック: 10回 この商品を含むブログ (8…

アンドリュー・クレメンツ 『はるかなるアフガニスタン』

はるかなるアフガニスタン (文学の扉) 作者: アンドリュー・クレメンツ,田中奈津子 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2012/02/29 メディア: 単行本 クリック: 1回 この商品を含むブログを見る アメリカ・イリノイ州に住む女の子アビーは、勉強があまり好きじ…

ジャミラ・ガウィン『その歌声は天にあふれる』

酒井駒子さんの天使の装丁に惹かれて手に取りましたが、すっごくよかった。 その歌声は天にあふれる 作者: ジャミラガヴィン,Jamila Gavin,野の水生 出版社/メーカー: 徳間書店 発売日: 2005/12 メディア: 単行本 クリック: 3回 この商品を含むブログ (5件) …

ロアルド・ダール 『魔女がいっぱい』

魔女がいっぱい (ロアルド・ダールコレクション 13) 作者: ロアルドダール,クェンティンブレイク,Roald Dahl,Quentin Blake,清水達也,鶴見敏 出版社/メーカー: 評論社 発売日: 2006/02 メディア: 単行本 クリック: 10回 この商品を含むブログ (16件) を見る …

トルストイの散歩道

世界的大文豪トルストイの短編を集めた民話シリーズ。それぞれ100ページ前後のストーリーで、文字も大き目ルビ付きで、読みやすいです。昔のお話のようでいて、いまの私たちにも通じるふしぎ。短い物語の中だからこそ、トルストイの宗教観が見えやすいか…

シヴォーン・ダウト『ボグ・チャイルド』

ボグ・チャイルド 作者: シヴォーンダウド,Siobhan Dowd,千葉茂樹 出版社/メーカー: ゴブリン書房 発売日: 2011/01 メディア: 単行本 クリック: 6回 この商品を含むブログ (3件) を見る (BOOKデータベースより)1981年、北アイルランド。国境近くの村に暮ら…

アレックス・シアラー『青空のむこう』

人生って一度きりしかないから、生きているうちならなんだって、「もう遅い」ってことはないってことに気づかされる 青空のむこう 作者: アレックスシアラー,Alex Shearer,金原瑞人 出版社/メーカー: 求龍堂 発売日: 2002/05 メディア: 単行本 購入: 10人 ク…

ダン・ブラウン『インフェルノ』

ダン・ブラウンのラングドンシリーズ最新作。 人気本の図書館予約は、「待ち」を覚悟しなければならないものだが、今回はものすごく運がいい。新年早々にダン・ブラウンの新刊が読めるなんて、たぶん予約2人目か3人目。今年の運をここで早くも使い果たして…

アレックス・シアラー『13ヵ月と13週と13日と満月の夜』

図書館で借りた本を、子どもたち用に購入するというのは、私によくあるパターン。図書館で借りられる期間内に読み切れないというのも理由のひとつだけれど、「じぶんの本」がいつでもそばにあることの幸福感。そうして只今収集中の本棚に、2冊もあるのが『13…

バーバラ・レオニ・ピカード『人魚のおくりもの』

人魚のおくりもの 作者: バーバラ・レオニピカード,Barbara Leonie Picard,白坂麻衣子 出版社/メーカー: 長崎出版 発売日: 2009/06 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 夏に読みたいと思わされるのは、タイトルと表紙の美しさからだろう。 バーバ…

S・D・タワー『レイル―王国の暗殺者』

今年の夏は、子どもたちと一緒に休みを満喫しております。 子どもたちはお休みで浮かれまくりですが、親は満喫と言うよりも、仕事よりもハードスケジュールだったりして。あちこちと連れ歩き、宿題の手伝いをし、実家に帰り、加えてこの暑さ。 むしろ、ぶっ…

ジョーン・バウワー『靴を売るシンデレラ』

靴を売るシンデレラ (SUPER!YA) 作者: ジョーン・バウアー,灰島かり 出版社/メーカー: 小学館 発売日: 2009/07/15 メディア: 単行本 クリック: 24回 この商品を含むブログ (8件) を見る ジェナは、大手靴販売チェーン店でアルバイトをする16歳の高校生。天才…

ブライアン・セルズニック『ユゴーの不思議な発明』

ユゴーの不思議な発明(文庫) (アスペクト文庫) 作者: ブライアンセルズニック,金原瑞人 出版社/メーカー: アスペクト 発売日: 2012/01/25 メディア: ペーパーバック 購入: 1人 クリック: 23回 この商品を含むブログ (24件) を見る ぺらぺらぺらぺら…・本を…

エレナー・エスティス『百まいのドレス』

女の子同士って、ほかの子よりもちょっとだけ優位でいたいって思う生きもの。本当に求めているものが何なのか、自分自身もわかっていないことが多いのです。失ってから気づくことも…。 百まいのドレス 作者: エレナエスティス,ルイススロボドキン,Eleanor Es…

J・K・ローリング 『カジュアル・ベイカンシー』

『ハリーポッター』を1冊も読み切っていないわたくしが、あの『ハリーポッター』の著者の新作!!などという肩書に踊らされずに、まず読んでみた。(とりあえず読んでみようという動機は、そもそもそこにある、というのは置いといて) カジュアル・ベイカンシ…

モーリス・ドリュオン『みどりのゆび』

自分がなぜここにいるのだろうか?と考えることはありませんか。いえいえ、若年性健忘症ではありません。(たぶん大丈夫)自分はここで必要とされているのか?自分の役割はなんだろう?ということです。 『みどりのゆび』は、そんな本。 みどりのゆび (岩波…

E.L.カニズバーグ『クローディアの秘密』

家出した先は、ニューヨーク・メトロポリタン美術館!?弟ジェイミーを巻き込んだ、クローディアの自分探しの旅は、いつしかミケランジェロの謎を解く冒険に!! クローディアの秘密 (岩波少年文庫 (050)) 作者: E.L.カニグズバーグ,E.L. Konigsburg,松永ふみ子 …

フィリップグランベール 『ある秘密』

2004年にフランスで「高校生の選ぶゴンクール賞」に選ばれた作品。フランス高校生の読書力や目のつけどころの良さに脱帽する。日本の高校生もこんな作品読んだりするのかしら? ある秘密 (新潮クレスト・ブックス) 作者: フィリップグランベール,Philippe Gr…

シヴォーン・ダウド『サラスの旅』

サラスの旅 (-) 作者: シヴォーンダウド,Siobhan Dowd,尾高薫 出版社/メーカー: ゴブリン書房 発売日: 2012/07 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (1件) を見る (BOOKデータベースより)ロンドンの児童養護施設で育った、14歳の少女ホリー。里親になじ…

デイヴィッドアーモンド『肩胛骨は翼のなごり』

肩胛骨は翼のなごり (創元推理文庫) 作者: デイヴィッドアーモンド,David Almond,山田順子 出版社/メーカー: 東京創元社 発売日: 2009/01/22 メディア: 文庫 クリック: 8回 この商品を含むブログ (27件) を見る (BOOKデータベースより)引っ越してきたばか…

ジャン=クロード・ムルルヴァ 『抵抗のディーバ』

461ページもあるとは知らずに予約して、本を手にして第一声は「重いっ」「文庫本より単行本」派のわたしだけど、重い本は苦手、というか嫌いです。 でも、これおもしろくて一気読みしちゃった。 抵抗のディーバ (海外文学コレクション3) 作者: ジャンクロー…

ジェニー・ダウンハム『16歳。死ぬ前にしてみたいこと』

まだまだやりたいことがたくさんあるのに、「 もしかしたら私は明日、生きていないかもしれない」と考えなくちゃいけないとしたら…そんなの簡単に想像つかないよね。 16歳。死ぬ前にしてみたいこと 作者: ジェニー・ダウンハム,代田亜香子 出版社/メーカー: …

アリー・コンディ『カッシアの物語』

ロマンスありのディストピア小説もありますよ。 カッシアの物語 作者: アリー・コンディ,高橋啓 出版社/メーカー: プレジデント社 発売日: 2011/10/28 メディア: 単行本 購入: 1人 クリック: 8回 この商品を含むブログ (4件) を見る <ソサエティ>によって管…

ロイス・ローリー『ギヴァー 記憶を注ぐ者』

「満たされてる」とはどういうことか、「痛みを抱く」ことにどんな意味があるのか。 そんなことを考えさせられる。 ギヴァー 記憶を注ぐ者 作者: ロイスローリー,島津やよい 出版社/メーカー: 新評論 発売日: 2010/01/08 メディア: ハードカバー 購入: 6人 …

ポール・ギャリコ『ジェニィ』

一番好きなねこの本と言われたらこの本です。 ジェニィ (新潮文庫) 作者: ポール・ギャリコ,Paul Gallico,古沢安二郎 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 1979/07/27 メディア: 文庫 購入: 7人 クリック: 44回 この商品を含むブログ (58件) を見る 10歳の少年…

ピート・ジョンソン 『両親をしつけよう!』

しつけは大人が子供にするもの。 とは限らない!? 両親をしつけよう! (文研じゅべにーる) 作者: ピートジョンソン,ささめやゆき,Pete Johnson,岡本浜江 出版社/メーカー: 文研出版 発売日: 2006/09 メディア: 単行本 クリック: 1回 この商品を含むブログ (2件…

李文烈『われらの歪んだ英雄』

ふと、韓国文学を読んでみたいと思い立つ。調べてみると、著者は韓国では圧倒的人気の超ベストセラー作家さんだそうで、この作品は「アジア文学最高峰」とヨーロッパで絶賛されているそう。アジアに住んでいるのに、恥ずかしながら、全く知りませんでした。…

ベン・マイケルセン 『ピーティー』

「人として生きる」とはどういうことなのだろう、と考えさせられる本 ピーティ (鈴木出版の海外児童文学―この地球を生きる子どもたち) 作者: ベンマイケルセン,Ben Mikaelsen,千葉茂樹 出版社/メーカー: 鈴木出版 発売日: 2010/05 メディア: ハードカバー こ…

リザ・テツナー 『黒い兄弟』

10代に出会いたかった海外作品のひとつ。実話をベースにした小説は引き込まれます。 黒い兄弟〈上〉 作者: リザテツナー,Lisa Tetzner,酒寄進一 出版社/メーカー: あすなろ書房 発売日: 2002/09 メディア: 単行本 購入: 1人 クリック: 13回 この商品を含むブ…

メアリー・ノートン 『床下の小人たち』

床下の小人たち―小人の冒険シリーズ〈1〉 (岩波少年文庫) 作者: メアリーノートン,ダイアナ・スタンレー,Mary Norton,林容吉 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2000/09/18 メディア: 文庫 購入: 18人 クリック: 323回 この商品を含むブログ (97件) を見る …

メグ・キャボット 『プリンセス・ダイアリー』

大好きな海外小説のシリーズ。女の子におすすめです。 プリンセス・ダイアリー 1 (河出文庫) 作者: メグ・キャボット,金原瑞人,代田亜香子 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2006/06/03 メディア: 文庫 クリック: 58回 この商品を含むブログ (7件) を…

E.B.ホワイト 『シャーロットのおくりもの』

映画『シャーロットのおくりもの』(ダコダ・ファニング)も面白かったけど、映画では感動できなかったわたし。原作の方が、ぐっといいです。 シャーロットのおくりもの 作者: E.B.ホワイト,ガースウイリアムズ,E.B. White,Garth Williams,さくまゆみこ 出版…

ギヨーム・プレヴォー 『時の書』

世界14カ国で発売され、人気沸騰中のスペクタクルファンタジーが、ついに日本上陸。 時の書1 彫刻された石 作者: ギヨーム・ブレヴォー,建石修志,伊藤直子 出版社/メーカー: くもん出版 発売日: 2009/11/17 メディア: 単行本 クリック: 2回 この商品を含むブ…

エヴァ・イボットソン 『幽霊派遣会社』

幽霊派遣会社 作者: エヴァイボットソン,Eva Ibbotson,三辺律子 出版社/メーカー: 偕成社 発売日: 2006/06 メディア: 単行本 クリック: 3回 この商品を含むブログ (4件) を見る 魔女になるための夜間学校でしりあったミス・プリングルとミセス・マナリングは…

ラルフ・イーザウ『盗まれた記憶の博物館』

ファンタジー王国ドイツの子どもたちが選んだベストファンンタジー。審査員の半数以上が子どもの読者という「ブックステフーダー賞」を受賞した作品。当然はずれなし。 盗まれた記憶の博物館 (上) 作者: ラルフ・イーザウ,佐竹美保,酒寄進一 出版社/メーカー…

ジェラルディン マコーリアン『不思議を売る男』

もし『アラビアンナイト』のような物語は好きなんだけど、ちょっと古くさいかなと思っていたら、ぜひこの本を読んでみてください。そう、これはまさに現代の『アラビアンナイト』なのです。(中略)そう、さまざまな色合いと輝きをもつ物語が、あっとおどろ…

ミシェル・ペーヴァー 『クロニクル 千古の闇』

酒井駒子さんの表紙に惹かれて手にしたのは間違いない。 期待以上の読み終えてもいつまでの余韻の残るファンタジー。 オオカミ族の少年 (クロニクル 千古の闇 1) 作者: ミシェルペイヴァー,酒井駒子,さくまゆみこ 出版社/メーカー: 評論社 発売日: 2005/06/2…

イアン・ベック 『盗まれたおとぎ話』

本を読まない人でも、本がきらいな人でも、絶対に(100%に近い確信で言える)知っているおはなしがある。 ガラスの靴をはいて舞踏会に出かけるあの女の子や、いじわるな継母に毒りんごを噛まされちゃったあの色白の女の子、それから髪の毛のと~っても長…