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青りんごの本棚

~10代の読書案内~

福田隆浩『ブルーとオレンジ』

教室の中には、目には見えないカースト制度がある。 カースト制度っていうのは、力関係のこと。 スポーツが得意、頭がいい、おもしろいとかクラスで人気のある人がそのカーストのトップにいる。なぜか怖い人とか意地悪な人が、このトップにいることも多いん…

まはら三桃『なみだの穴』

泣きたい気持ちになった時。 それはなみだの穴があらわれた時だよ。 引越しで友達と別れることになった光太、甘いものを我慢してレスリングに励む真矢。一生懸命だからちょっぴり泣きたい時もある。なみだの穴が現れたら、我慢していた涙があふれだして…。 …

岩瀬成子『きみは知らないほうがいい』

ミステリアスなタイトルと、長谷川さんの描く女の子が妙に引っかかって、気になっていた本。 おばあちゃんの家に行くために乗ったバスの中で、米利(めり)は偶然クラスメイトの昼間くんと出会う。昼間くんは6年生になってから転校してきた男の子。「どこに…

重松清『星のかけら』

ディズニー映画の中で、ダンボが好きだ。 あの水色のぞう。 耳が大きくて、ぞうなのに空が飛べないっていう…。というか、そもそも象は空など飛べないじゃないか。飛ばなくていいはずなのだけど。 キャラクターがかわいくてグッズを集め始め、じっくりと映画…

西川つかさ『ひまわりのかっちゃん』

舞台は、昭和30年代の北海道。県は違えど、道南は私の地元と方言がとても似ています。周りにも道南の親戚がいる人も多かったから、移住者も多いのかな?そんなこともあり、かっちゃんたちの方言がすんなりと入り込んできて、私には楽しくリズミカルに読めま…

草野たき『ハッピーノート』

聡子は、中学受験のために塾へ通う小学6年生の女の子。でも、塾に通う本当の理由はちょっと違う。学校では、強い女の子に合わせているようなつまんない毎日。もっと楽しい・新しい世界を見つけたくて塾へ通うことに決めたけれど…。 学校という小さい世界か…

湯本香樹実『ポプラの秋』

ポプラ荘のおばあさんが亡くなった。というところから、物語は始まる。 千秋が小学1年生になってすぐ、お父さんんが交通事故で死んだ。その年の夏に、千秋は母とふたりでポプラ荘に引っ越してきた。 ポプラ荘の大家さんはおばあさんで、このおばあさんの顔、…

三船恭太郎『12歳の空』

「ヘチマと僕と、そしてハヤ」で「第二回12歳の文学賞」大賞受賞した、三船恭太郎くん(どうしても君付けしたくなるのは、彼に坊主頭が似合いすぎるせいだろう)。12歳の文学のハードルも知名度も彼が一気に押し上げたといっても過言ではないでしょう。 そ…

濱野京子『木工少女』

英語教師の父親の転勤で、小学校生活最後の一年間を山奥の小さな村で過ごすことになった主人公、美楽(みらく)。 東京練馬育ちの美楽には、コンビニもじゃがりこもないド田舎の生活も、たった一年だけのクラスメートもなじめない。(というか、なじむつもり…

岡田依世子『ぼくらが大人になる日まで』

中学受験を目前に控えた小6たちの物語 自分のために、あるいは親のために。何かをめざして、あるいは何かから逃れようとして。それぞれの理由を抱え受験するために進学塾に通う六人の物語。 目指す受験の先に何があるのか。―ぼくたちは大人を信じていいのか…

伊藤たかみ『ミカ!』

子供でいたい。大人になんてなりたくないこっそり流す涙のむこうには幸せな明日がある。双子のミカとユウスケの瑞々しい小学校ライフ。 おっぱいもいらない、スカートキライッ、女の子になんてなりたくない!!オトコオンナと呼ばれるミカと、そんなミカをあッ…

杉浦日向子『百日紅』

江戸風俗研究家・杉浦日向子さんが描く北斎の江戸の町 実は、彼女が漫画を描いていたとは知らなかったのです。 日本が誇る浮世絵画家・葛飾北斎と、北斎の画才を受け継いだ次女のお栄、そして江戸の人たちの暮らしぶりがうかがえます。さばけていても純なお…

山口淑子『李香蘭 私の半生』

2014年、山口淑子さん死去のニュース。 少しだけ紹介された彼女のプロフィールに、俄然興味がわいた。 間もなくアマゾンでは、この本が一時在庫切れとなった。同じように、彼女の半生に興味をひかれた人が殺到(それは言い過ぎか、せめて集中)したのかも。 …

サラの旅路―ヴィクトリア時代を生きたアフリカの王女

著者が古書店で見つけた一束の手紙。それは、19世紀半ばに、イギリス・ビクトリア女王の保護を受けていたある少女にまつわるものだった。その少女は、アフリカのある部族の女王であり、同じアフリカの国王に殺される寸前に助けられたのだという。それが、表…

「時代をきりひらくIT企業と創設者たち」シリーズ

TwitterもAmazonもWikipediaも。 スマホの普及とともにその利用率はどんどん伸びている。 似たようなサイトやアプリも次々に登場しているが、Amazonはトップに君臨し続けるし、Twitterのユーザー数は2015年には3,500万人を超えたと公式発表された。 インター…

『スティーブ・ジョブズの生き方』

インタビュー嫌いで有名なジョブズ自身が語った自伝書であり、スティーブ・ジョブズの死後まもなく発売された話題作となったベストセラー『スティーブ・ジョブズ I・IIセット』。 何十人という図書館の予約をなぎ倒し、やっとのことで私の元に巡り着いた割に…

レンズが撮らえた幕末の日本

さて、少し歴史のお勉強を。 1830年代、わが国では天保期にあたる時代、フランスで銀板写真が開発され、それからわずか9年後(1848年)オランダより長崎に輸入された。輸入したのは、上野俊之丞。長崎で坂本竜馬の写真を撮影したと言われる上野彦馬の父であ…

日本人なら知っておきたい日本文学

日本語学校に通う面白い外国人たちを描いた「日本人の知らない日本語」が昨年大ブレイク。この本、人前で読むことをおすすめできないくらい、声を出して笑っちゃうおもしろエッセイ漫画で、私もお気に入り。漫画担当の蛇蔵さんネタ元である日本語教師の海野…

冲方丁『はなとゆめ』

清少納言、28歳。「私はあの方を守る番人になる」帝・一条帝の后・中宮定子様に女房として仕え、『枕草子』を書き上げるまでが描かれた、清少納言ファン必読書。 内裏へあがるまでのゆったりさに少々眠くなりそうだったが(-_-)、中宮定子様の登場から物語…

百田尚樹『海賊とよばれた男』

舞台は戦前から戦後。日本の石油産業を支え、礎を築いた出光石油の社長をモデルに描かれた小説である。日本を愛し、社員をなによりも大切にし、石油に夢を託した、決して饒舌ではいが骨太な日本男児の鐵造に心打たれます。 「店員は家族と同然である。社歴の…

マーギー・プロイス『ジョン万次郎 海を渡ったサムライ魂』

14歳で漁船が遭難し、アメリカに渡った万次郎。現地では、アメリカに足を踏み入れた最初の日本人として「アメリカを発見した少年」と呼ばれたそうです。 海の向こうには鬼が住んでいて、捕まったら喰われるとか思われていた時代。日本とはスケールも考え方も…

三谷幸喜『清須会議』

三谷幸喜ってだけで、おもしろそうと軽く飛びついてみたら、歴史モノなのね。巷では、歴女ブームもまだまだ健在のようですが、歴史は得意ではない分野。でもまぁ、そこは三谷幸喜だからと読んでみる。 信長亡き後の織田家の当主となるのはいったいだれなのか…

吉橋通夫『風の海峡』

青い海峡をはさんだふたつの国。日本と朝鮮―。背のびをすれば島影が見えるほど近い。話す言葉は違うが、顔立ちはそっくり。どちらの国も、声mを主食にし、漢字を使い、移り変わる四季をいつくしみながら暮らしてきた。梅の香りに春を感じ、モモの甘さに夏を…

冲方丁『天地明察』

渋川春海(安井算哲)が、日本独自の暦を作るというストーリー。舞台は江戸時代ですが、なんと、歴史小説に欠かせない剣で戦うシーンがない!!これだけ聞くと、何が面白いのか?と思われるでしょうが、それが、読んでみると面白い。剣をふりかざして戦う人た…

境界を生きる 性と生のはざまで

性分化省疾患、性同一性障害、「体と心の性」の悩みを抱えている人は、実は多い。 体と心の性の悩みと言っても、70以上に及ぶ疾患がある。 生まれたときから体の性があいまいなことがある。体の性別と心の性別が一緒でないこともある。 「まずは私たちのよう…

ほんとうの「ドラッグ」

著者は、元・薬物中毒者。ということで、すごく説得力がある。 著者プロフィールによると… 30歳のときに覚せい剤を覚えて以来、薬物乱用者となり、37歳で精神病院に入院。それでも覚せい剤をやめられず39歳のとき逮捕。釈放後、アルコール依存症者の回復施設…

渡辺俊美『461個の弁当は、親父と息子の男の約束。』

「あぁ、楽しかった夏休みも終わってしまったぁ~」と嘆いているのはなにも子どもたちだけではない。またお弁当作りの日々が始まるのかと、幽鬱になりそうな母たちもいる。 春から息子の弁当が加わり、毎日4個のお弁当作りからしばしの解放感を味わいつつあ…

自炊男子 「人生で大切なこと」が見つかる物語

草食系男子・メガネ男子・スピリチュアル系男子…、男子を分類するのはもうやめませんか?と呆れ顔のあなた、そんな本ではありませんのでご安心を。逆に、萌え系弁当男子的小説を期待していたあなた、これまたごめんなさい、ちょっと違います。 イケベタカシ…

梨木香歩 『西の魔女が死んだ』

「西の魔女が死んだ。」 中学生になってまもなく、学校へ行けないまい。まいは祖母のもとで一緒に「魔女修行」をしながら暮らすことになった。 豊かな自然に囲まれ、あるがままを受け入れてくらすこと。そして、祖母のいう「魔女修行」とは、何でも自分で決…

中沢けい『楽隊ウサギ』

「君、吹奏楽部に入らないか?」「エ、スイソウガク!?」 学校にいる時間をなるべく短くしたい、引っ込み思案の中学生・克久は、入学後、ブラスバンドに入部する。先輩や友人、教師に囲まれ、全国大会を目指す毎日。少年期の多感な時期に、戸惑いながらも音楽…

重松清『きよしこ』

吃音って知ってますか?言葉がつっかえて、うまくしゃべれないことです。重松さん自身、少年期に吃音症(どもりが)があり、カ行の発音がうまくなかったそうだ。そのため、話すときにはカ行から始まる言葉をできるだけ避けたり、清という自分の名前について…

魚住直子『非・バランス』

学校での私のルール。一つ、クールに生きていく。一つ、友だちはつくらない。そんな私がある日、学校中でうわさの、願いごとをかなえてくれるという”ミドリノオバサン”に会った。彼女が言った言葉は「タスケテ」 集団の中でうまくバランスをとっていくって、…

瀬尾まいこ『僕の明日を照らして』

ママの再婚相手の優ちゃんは歯科医師でカッコよくて、優しい。そして、時々キレて、僕に暴力をふるう。ママと僕と優ちゃんと、僕はこの幸せを失いたくないから、誰かに話すつもりなんてない。中学2年生の隼太の、戦いと成長の日々をつづる。 子供たちは、本…

三輪裕子『優しい音』

クラスで仲の良かった香澄たちから無視されるようになった千波。ある日、千波の携帯に「しおかぜ」と名乗る人からのメールが届くようになる。「しおかぜ」は、千波の近くにいる人物のようだが…。はじめはひとりでうじうじと悩んでいた千波が、しおかぜのメー…

風野潮 『ビート・キッズ』

ドラムのひびきは、俺の心の花火やねん!英二がたたく。七生(ななお)が打つ。ふたりの大阪少年が、16ビートで笑って泣かせる!青春ビート小説。 横山英二は中学二年生の帰宅部。突然、吹奏楽部のパーカスに誘われる。英二に興味を持った菅野七生は、地元じ…

まはら三桃『カラフルな闇』

第46回講談社児童文学新人賞佳作受賞作「オールドモーブな夜」を書き改めた。 文化祭で目にした一枚の絵。使い込んだ絵具のスポンジのような空の色、黒い紫色の細長い影のようなもの。気持ち悪い色使いの水彩画に、なぜか志帆は心ひかれた。そして、絵を描い…

笹生陽子『世界がぼくを笑っても』

「われらが浦沢中学にすごい先生がやってくるってさ―」中学二年生になる春休み、北村ハルトは、浦沢中の非公式サイトの掲示板にこんなカキコミを見つけた。 そして始業式、ハルトのクラスに担任としてやってきたのは軟弱そうでやぼったい男、小津ケイイチロ…

藤田のぼる『錨を上げて』

1964年、東京オリンピックがひらかれた年。東北の小さな町の青木中学吹奏楽部は、ここ数年ステージに立ったことがない弱小ブラスバンド。 中学卒業まであと数カ月。高校受験や就職への悩みや不安、人生の岐路に立ちそれぞれの思いをこめて、地区演奏会出場に…

梨屋アリエ『でりばりぃAge』

中学2年生のマナコは、私立G高校の教室で、友だちと夏期講習を受けていた。たぶん2年後にはこの高校に通うことになる。だけど、なぜかそのことが息苦しい…。そんな時、雨が降り始め、窓から見える隣の家の庭、物干しにかかる真っ白なシーツに心を奪われて…

福田隆浩『この素晴らしき世界に生まれて』

本を読むことの一番の醍醐味は、本の世界を楽しむことだと思うのですが、中にはそこからさらに、読んでいる人を励ましたり勇気づけてくれる本というのがあります。この本も、そんな本だといえます。 里美は、聾学校に通う小学6年生。補聴器なしではほとんど…

千原ジュニア『14歳』

著者は、吉本興業所属、実兄・千原靖史とのお笑いコンビ”千原兄弟”の千原ジュニア。ちょっと毒舌でひねりのきいたしゃべりが小気味よく、頭の回転の速さもうかがえる著者のリアルな14歳をつづった自伝的小説。 小説というより、心の叫びが直球で飛んでくる…

朽木祥 『風の靴』 

海生(かいせい)は、お兄ちゃんが通う難関中学への受験に失敗して、公立中に通う一年生。3年後の高等科受験をさせようとしている両親の会話を聞き、海生は気がめいる。「もう、ほんとにサイテーだ。しかし、1か月もしないうちに、もっとサイテーなことが…

魚住直子『大盛りワックス虫ボトル』

想い想われ振り振られ、みたいなごゴロ合わせ、なんのこっちゃ!?な、このタイトル。読めばわかります。 江藤公平は地味な中学2年生。クラスでも目立たない、いや、むしろ存在感が薄いといっていい。同じ小学校出身の奴に「江藤はどこ小?」なんて、意地悪…

佐藤多佳子『聖夜 ― School and Music』

クリーム色の背景に教会のイラスト、シンプルな表紙が綺麗ですよね。そもそもは別冊文芸春秋で音楽と学校を二本柱にした短編集のシリーズのひとつ。でもこの作品、1冊丸ごとストーリー。短編ではありません。書いているうちに、掌編・短編・中編・長編となっ…

森絵都『カラフル』

自殺したはずの小林真の体にホームステイすることになったぼく。天使によると、輪廻のサイクルに戻るためには、誰かの体にホームステイして自分の犯した罪を思い出さなくてはならないのだ。ぼくは自分のおかした罪を思い出し、再び輪廻のサイクルに戻ること…

佐藤多佳子『第二音楽室―School and Music』

長編『聖夜』と合わせて「音楽×学校」をテーマにしたシリーズ。音楽に携わっている人なら共感できる部分が多いはず。 ピアニカやフルート、音楽の授業テストなど、身近な「音楽」をテーマに、学校での友だちとの関係や恋心を描いているので、音楽に興味なし…

花形みつる『アート少女―根岸節子とゆかいな仲間たち』

美術部というと、運動が苦手で学校の中ではどちらかというと消極的な人種というイメージ(いや、モデルはいませんよ)ですが、この本に出てくる「根岸節子とゆかいな仲間たち」は、そんなイメージと180度違う。 部室を守るべく学校に立てこもり、花火騒動…

八束澄子 『オレたちの明日に向かって』

勇気は、ごくごく普通の中学生。自分ではぱっとしないって思っているみたいだけど。ジョブトレーニングの講師として学校にやってきたのは、勇気の母がいつもお世話になっている保険屋さんの今井さん。 今井さんの保険屋さんをジョブトレーニングに決めた勇気…

市川朔久子『紙コップのオリオン』

生徒会や委員会活動って部活動に比べて、地味というか、注目度も熱中度も低めなのはなんでだろう。内申では好感度が高めという理由で「所属」したいって人は多いみたいだけど。それって、どうなの。 論里(ろんり)は中学2年生。ある日、母さんが書き置きを…

林慧樹『いじめ 14歳のMessage』

著者が14歳の時に、自身のいじめ体験を基に書いた小説です。中学2年生の彗佳は、イジメられていた同級生をかばったことで、自分がいじめのターゲットになります。 いじめはだんだんとエスカレートして…。 著者はきっと、ほんわかとした、それでいて凛とした…