青りんごの本棚

~本とごはんとコーヒーと。10代の読書案内~

ジェイ・アッシャー『13の理由』

クレイ宛てに届いた小包の中に入っていたのは、7本のカセットテープ。

それは、二週間前に自殺したクラスメイト・ハンナの声で録音された、彼女からのメッセージだった。

 

これからわたしの人生について話します。もっと正確に言うと、どうしてわたしの人生が終わったのかっていう話。このテープを聞いているあなたは、その理由のひとつです。

 

『13の理由』は、著者・ジェイ・アッシャーのデビュー作。2007年にアメリカで出版されて以来、口コミで評判が高まり、カリフォルニア・ブック賞のほか、アメリカ図書館協会など多くのYA部門でベストブックに選定された話題作。

ミステリアスな展開にひきこまれて、一気に読んでしまった。

 

だれにでも、上手くいかないことってある。

はじまりは些細なことなのかもしれない。

誰かにとっては取るにたらない小さな出来事も、積み重なるうちにその重さを支え切れなくなって、だれかを押しつぶすこともある。

「アンラッキー」ではすまない。

キュートで憂いのある表紙に惹かれて、この本を手にした私もまた、イメージを受け入れやすいひとりなのかもしれないけれど。

 

ハンナは、周りの作る彼女のイメージに翻弄され、「違う」と声をあげることも、だれかと信頼関係をうまく築くこともできずにきてしまった結果、最後には誰かにつながる糸をすべて切り落としてしまう。

 

人から受ける感情には敏感でも、自分がだれかにどれだけの影響を与えているのかを、自分でわかっている人は少ないんじゃないかな。それを少し意識するだけで、生き方が変わってくると思う。

 

これ映画化希望。

ハンナのテープ音声を背景に、街を歩き回るクレイの姿、パーティーの回想シーン…映画のような情景を浮かべながら読んだ。登場人物が多いのも、映画化向きかもね。

 

おすすめポイント

◇カリフォルニア・ブック賞

◇死をテーマにした本

 

13の理由

13の理由