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青りんごの本棚

~10代の読書案内~

那須田淳 『星空ロック』

中学生 青春・恋愛
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14歳でひとり旅をしたことのある人ってどのくらいいるんだろう?
クラスにひとりいるかな?いや、いないなぁ。
おばあちゃんちに帰省は旅行に含まれませんよ。(バナナはおやつに含まれないニュアンスで)

そもそも、きょうびの日本に「はい、行っといで」と14歳をひとり旅に出せる親はそうそういないだろう。私だってそうだもの。そんな度胸のある親がいたら、ぜひ講演会などして頂きたいくらいだ。そこへきて、この本の主人公レオの母はすごい。

(ま、あくまでも本の中の物語ですけど)

 

(P[な]4-1)星空ロック (ポプラ文庫ピュアフル)
 

 

夏休みに家族で行くはずだったベルリンに一人旅に出すのである。海外に単身赴任しているお父さんに会いに行く予定が、お父さんの入院でお母さんは一足早く現地に出向く。そこで、レオもひとりでベルリンを経由して家族と合流することにしたのだ。

 

アパートの大家のじいさん・ケチルを師匠と仰ぎ、ギターを教えてもらったレオは、亡きケチルの思いを抱いて、ベルリンへと旅に出るのですが…。

ベルリンにロックに一人旅…。へぇ、なんかカッコいいじゃん。
でもちょっと待て。ジャパニーズの中2男子が?
いや、やっぱりわからん。
これがヨーロッパのおはなしなら、わからなくもないが。

 

たぶん、多くの日本人中学生には???が多いストーリーではないだろうか。この一般人にはなじみのない設定で、読書感想文など書けるのだろうか?
純正調のパイプオルガン、エルハンモニウム。ラストでナチスドイツにまでつながってくるのだが、このへんも予備知識がある程度ないと、「なんかよくわからん」で終わってしまいそうです。

 

夏で、旅で、音楽で、戦争で…。

少し内容が盛りだくさんすぎた感もあるよね。

 

中学生の一人旅なら、山田洋次の『十五才』がよかった。
山田洋次さんは映画監督で、もちろんこの作品も映画化されているのだが、私は映画は観ていない。

半年も学校に行っていない大介が、ある日、突然旅に出る。目指すは屋久島。一人旅を通じて、人に出会い自分を見つけ、成長していくという、少年の一人旅小説ってこうあるべきというお手本のような作品。だからといって、ありきたりという意味ではない。こどもの悩みや成長とはこうした普遍的なものであるという安定感がすんなりと心に響くのだ。映画のノベライズだが、山田さんの素直な文章がすらりと読みやすい。

 

『星空ロック』の残念なところは、少年レオがこれだけの旅を経験したのに、いまいち成長がわかりづらいところ。使用前と使用後にあまり変化がない。イマドキの中学生の一人旅ってこんなですか?いやいや、そんなはずはない。

 

だったらもう、コンクールのための読書感想文とかいらないから、一人旅に出るか、『十五歳』を読むかだな。

 

おすすめポイント

 

◇第60回全国青少年読書感想文コンクール課題図書(中学生の部)

◇夏におすすめの本

◇音楽劇も公演されました。

 公式ツイッター 

★舞台 星空ロック 公式★ (@hoshirockstage) | Twitter