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青りんごの本棚

~10代の読書案内~

桐野夏生 『優しいおとな』

文学小説
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「おとなには、優しいおとな、優しくないおとな、どっちつかずの3種類がいる。」

子どもが大人を見る目は、こちらが思っている以上に鋭い。

 

優しいおとな (中公文庫)

優しいおとな (中公文庫)

 

 

近未来の東京、街には路上生活をするホームレスであふれかえっていた。仲間を持たずに、ひとりで生き抜こうとする少年イオン。そんなイオンに興味を持ち気にかけてくれる、NGO「ストリートチルドレンを守る会」のメンバーモガミ。

ある日、イオンは「きょうだい」である鉄と銅のメッセージを目にする。

 

無関心を装おうとしても、孤独を埋めたい気持ちは消せない。
孤独と戦いながらも、誰かとつながっていると思える確かな「なにか」を感じたいと思う気持ち。「愛着」というのも、人の本能のひとつなのだと思う。国家が崩壊しているような厳しい状況の中で生き抜く少年たちの逞しさや純粋さが見えていいです。

 

「おとなには、優しいおとな、優しくないおとな、どっちつかずの3種類がいる。」
タイトルにも出てくるキーワードともなるセリフだが、作品中では、そのおとなを見極めることが生き抜くための処方術になっている。


おとな目線で言わせてもらうと「おとなだってひとりひとりは全く違うもの。3種類になんて分けられないよ!!」と叫んでやりたいところだけどね。

 

紫綬褒章を受章した桐野夏生さん。「生々しい」とか「毒気のある」と言った作風は好みがわかれるところだけれど、こちらの作品はどなたにもおすすめできます。

 

おすすめポイント

 

ディストピア小説