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青りんごの本棚

~10代の読書案内~

三浦しをん『舟を編む』

エンタメ小説 ドラマ・映画化
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本好きが食いつく題材、確かな文章力、程よい読みやすさ、本屋さんたちが選ぶ本屋大賞にこの作品以上にぴったりとくる小説はない。

 

舟を編む (光文社文庫)

舟を編む (光文社文庫)

 

 

ひとことでいうと辞書編纂に人生をかけた男たちのロマンの物語を、コミカルさをスパイスに加え、へらべったく伸ばしてクッキーに焼き上げてみました、という感じ。紅茶でもそえて、さくっと軽く召し上がれます。

 

辞書編纂などという仰々しく堅苦しい一大事業を、クッキーというちょいとつまめるお楽しみおやつの如く、薄く軽やかに書き上げ、しかもバターのコクはきっちり残す満足感。三浦しをんにしか出来ないだろうなぁと感心させられる。

 

 

(P71)どれだけ言葉を集めても、解釈し定義づけをしても、辞書に本当の意味での完成はない。1冊の辞書にまとめることができたと思ったっ瞬間に、再び言葉は捕獲できない蠢きとなって、すり抜け、形を変えていってしまう。辞書づくりに携わったものたちの労力と情熱を軽やかに笑い飛ばし、もういちどちゃんとつかまえてごらんと挑発するかのように。

 

辞書好きさん以外の人には、たかが辞書になにをそこまで、と鼻で笑っちゃいそうなところだが。文章だけ読んだら、まるで「愛」のようではないですか。

(本書でも愛の定義については、悩める解釈が書かれているが)

この小説に描かれているのは、まさに丸ごと「辞書への愛」そのもの。

 

おすすめポイント

 

◇2012年本屋大賞 大賞受賞
◇映画「舟を編む」原作

◇アニメ化


◇入試問題出典作品

2012年度高校入試出典作品(愛媛)