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青りんごの本棚

~10代の読書案内~

いとうせいこう『想像ラジオ』

文学小説
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想像ラジオ (河出文庫)

想像ラジオ (河出文庫)

 

 

<strong>「海沿いの小さな町を見下ろす杉の木のてっぺんから、「想像」という電波を使ってお送りしている番組

想ー像ーラジオー。

パーソナリティはDJアーク。」</strong>

 

残念ながら想像ラジオがうまく聞こえない私は、想像力に欠けているのかもしれないが、間違いなくこの放送のリスナーたちはいる。

 

災害や事故や事件に巻き込まれた人たちは、突然に日常から切り離されてしまったことに、すぐに気づくのだろうか。一方的に日々や肉体から取り残された心は、まだそこに留まっているのではないかと思うのは、感傷的になっているからばかりではない。そうした場所で霊魂の話が尽きないのには、きちんと理由があるのだろう。

 

突然に残された私たちも、死者の声に耳を傾けようとすることで救われることもある。その声が聞こえない人の方が多いだろうけれど。物語小説だと思っていたので、想像していたような作風とは違ったおもしろさもあり。

 

想像を電波にしてラジオ放送を文字にするというのも新しく(途中で曲も流れちゃうからね)、いとうさんらしい手法で、たくさんのだれかを代弁し、だれかを励ましたい思いが詰まっているように感じた。

 

おすすめポイント

 

◇第26回三島由紀夫賞
◇第149回芥川龍之介賞候補
◇第35回野間文芸新人賞受賞
◇第10回 ダ・ヴィンチ OF THE YEAR 2013
◇「キノベス!2014」1位
◇第11回本屋大賞候補作