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青りんごの本棚

~10代の読書案内~

江國香織 『神様のボート』

文学小説
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昔、ママは、骨ごと溶けるような恋をし、その結果あたしが生まれた。
“私の宝物は三つ。ピアノ。あのひと。そしてあなたよ草子”。

 

神様のボート (新潮文庫)

神様のボート (新潮文庫)

 

 

必ず戻るといって消えたパパを待ってママとあたしは引越しを繰り返す。
“私はあのひとのいない場所にはなじむわけにいかないの”“神様のボートにのってしまったから”―恋愛の静かな狂気に囚われた母葉子と、その傍らで成長していく娘草子の遙かな旅の物語。

 

私はあのひとのいない場所にはなじむわけにいかないの

 

母・葉子と娘・草子が交互に語りながら、少しずつ時を経て物語が進んでゆく。


会えるともしれない男を待ち引越しを続ける葉子(←引越しながら待つなんて矛盾しているのだけれど)とはうらはらに、少しずつ現実を歩み始める草子。ずっと一緒のようだったふたりが、引越しを重ねるごとに少しづつずれてゆくことの妙な加減が味わえる。葉子は恋をしているから余計に狂気じみているが、子どもの成長に気づいた瞬間にふと置いていかれた感覚を味わうのは、どの親子でも感じるところかもしれない。


母・葉子と娘・草子、どちらに心を寄せて読むか、きっと読み手によって変わるだろう。読み方いろいろ。少しづつ季節がめぐってゆくが、夏向きの本だと思う。

 

手元に置いていなくては不安なほどに、わたしにとっては大切な1冊。だからかどうか、うちの本棚にはこの本が2冊もある。

 

おすすめポイント

 

江國香織の恋愛小説

江國香織 『神様のボート』 | 新潮社

◇ドラマ化

 

プレミアムドラマ「神様のボート」 | NHKドラマ

神様のボート [DVD]

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