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青りんごの本棚

~10代の読書案内~

ミシェル・ペーヴァー 『クロニクル 千古の闇』

SF・ファンタジー 海外の本
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酒井駒子さんの表紙に惹かれて手にしたのは間違いない。

期待以上の読み終えてもいつまでの余韻の残るファンタジー。

 

オオカミ族の少年 (クロニクル 千古の闇 1)

オオカミ族の少年 (クロニクル 千古の闇 1)

 

 

今から6000年前のヨーロッパ北部。
すべてが森に囲まれていた時代。

「北へ向かえ。そして…山を見つけるんだ……。<天地万物の精霊>が宿る山だ。」

 

悪霊に取りこまれたクマが森にあらわれ、父さんを襲った。
父さんは命を奪われる直前に、トラクにこう言い残した。
それはいったいどこにあるのか。父さんがまだ話していなかったひみつとは。

 

 

本をめくるともうすでに危険の真っただ中なのだから、感じる間もなく最初のページをめくる時には、もう物語の世界にひきこまれている。

ひとりぼっちの心許なさとなぞを抱えてはじまるトラクの旅だけれど、すぐに心強い相棒が見つかります。それが、家族を失ったあかちゃんオオカミのウルフ。
このウルフがまたかわいいのよ(*゚∀゚*)
小さくて、ふわふわで、自分を信頼してくれるまっすぐさ。
動物の赤ちゃんを飼ったことのある人はたまらないはず(∩´∀`)∩
のちにもうひとり仲間が加わるのだけど、それはお楽しみってことで。
次々と危険にぶつかるトラクとウルフの旅は、まさにザ・冒険でドキドキおもしろい。

この物語をさらに魅力的にしているのは、その時代と背景にある。

 

マツの林、シダの茂み、ハンノキのやぶ。
どこまで行っても木々がびっちりと立ち並ぶ森。
干し肉をかじり、シカの脂のろうそくであかりを灯す生活。
木々がささやき、川は時に怒りくるい、氷河の山はうなる。

訳者のさくまゆみこさんはあとがきでこう語る。

 

 この時代は、人間と動物や植物、あるいは自然現象との区別も今ほど定かではありません。
今のように科学でなんでも説明しようとすることもないので、不思議なこと、幻想的なことが日常的に起こります。
現実の生活の中にファンタジー的な要素が否応なく入り込んでくる時代が、この作品の舞台なのです。

 

しめった土の匂い、刺すように痛い雪のつぶ。
緑の葉っぱが風にこすれるささやき。
本を読んで心に浮かぶのは刺激的な新しい未知の世界ではなくて、
ずっとむかしから知っている、たしかに私の中にあるもの。

だからこそ、がっちりファンタジーが得意ではないわたしも、ハマるのだと思う。

 

映画化の話も出ているみたい。
楽しみだなぁヾ(*´∀`*)ノ
その前に続編を読まなくちゃ。

 

骨太なファンタジーあります

 

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