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青りんごの本棚

~10代の読書案内~

上橋菜穂子 『狐笛のかなた』

SF・ファンタジー
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どちらかというとファンタジーは得意ではない。
子どもに本を紹介する仕事をしていて、それって爆弾発言じゃないのか!?とも思うが。その考えを改めさせてくれたのがこの作品。

狐笛のかなた (新潮文庫)

狐笛のかなた (新潮文庫)

 

 

 (BOOKデータベースより)夕暮れの枯野を火色の毛皮を光らせて駆ける子狐はふしぎな娘に出会った。“あわい”に生まれ、使い魔として生きる野火。“聞き耳”の力を受け継いでしまった小夜。そして、森陰の屋敷に幽閉されている少年小春丸。彼らは、隣り合うふたつの国の、過去の因縁と呪いの渦に巻きこまれていく。孤独でまっすぐな二つの心の物語。

 

 

上橋菜穂子さんの名前は聞いたことがあるが、作品を手にしたことはない。私はファンタジーが得意ではないからとこれまで敬遠していたが、きれいな表紙に惹かれて「どんなおはなしだろう」とページを少しめくってみただけのつもりが、気が付くと続きが読みたくてもう止まれない。一気読みでした。これまで読まずにいて損しちゃった(>_<)って地団駄ふんじゃうほどにいい作品。

 

架空の時代に架空の国の設定だが、日本の時代物ファンタジーと思って読めば間違いナシ。ファンタジーも時代物も苦手な私ですが、設定もわかりやすく、読みやすかった。

上橋さんすごいっ。

 

使い魔として囚われている野火。

ふしぎな力を持つ小夜。

そして、森陰の屋敷に幽閉されている少年小春丸。

 

幼い時に偶然出会った3人が、不思議なめぐり合わせで(いやぁ、そもそも最初の出会いが運命なんだろうね)、国同士の争いにまきこまれていくのですが…。この3人もそうだけれど、登場する人物のほとんどは、本当は、誰も戦いたくなどない。だけれども、主の命を受け、また主を守るために戦うことを選ばなければならないという不条理。

一番の読みどころは、野火と小夜まっすぐな想い。お互いを守るために自分の命を削ることも厭わない強い想い。切ないです~。その点では、ぜひ女の子におすすめしたい。実はこの作品、10代よりも大人女子が「おもしろかった」と言ってくれることが多い。

 

ラストの桜のシーンでは、思いがけず、やっぱり(?)感涙でした。
「小夜~、それでいいんだよ~。女の幸せってそんなもんさ~」なんて。
やっぱり、そこはほら、私も女の子だから。

 

おすすめポイント

◇受賞歴など

 

上橋菜穂子さんを読む

 

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