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青りんごの本棚

~10代の読書案内~

ジェラルディン マコーリアン『不思議を売る男』

SF・ファンタジー 海外の本
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もし『アラビアンナイト』のような物語は好きなんだけど、ちょっと古くさいかなと思っていたら、ぜひこの本を読んでみてください。そう、これはまさに現代の『アラビアンナイト』なのです。(中略)そう、さまざまな色合いと輝きをもつ物語が、あっとおどろくような仕掛けをほどこした箱のなかにぎっしり詰まっているのです。

金原瑞人さんのあとがきより)

 

不思議を売る男

不思議を売る男

 

エイルサが図書館で出会った男、その名もMCCバークシャー。しわしわの緑色のコーデュロイのジャケット、緑のネクタイはえりからだらりとぶらさげて、白いフランネルクリケット用ズボンには上着と同じ緑の草のしみが付いている。縮れた黒い髪にあごひげ。綺麗な身なりとは言えない、むしろ住所も持たない不審者のこの男―知人の某氏に似ているらしく「MMCバークシャー」と名付けている息子。まさかこんな不審者のような男と一緒にされているとは、某氏は知る由もない―が、なぜかエイルサの母の経営する古道具店に住みつき、働くことになった。


売れない借金ばかりの古道具屋で、MCCバークシャーが語る不思議な話に、いつしか客も道具に魅せられていく…。


気に入ったのは、「寄木細工の文具箱」「中国のお皿」「鏡」。
それから重鎮のようにどかっと存在感をもつ短編「鉛の兵隊」。

ちょっとしんみりさせておいて、さいご「ベッド」でしめるあたりが、なかなかオシャレ。

 

異国の香り漂うファンタジックなおはなしの世界にひきこまれます。寝る前に1編づつ読みたいような作品。ガッチリとしたファンタジーと違って、どなたでも楽しめますよ。

 

それから、この作品を面白く仕上げてくれているのが金原瑞人さんの翻訳。やっぱり秀逸です。金原さんの訳者あとがきを読むと、この作品の素晴らしさをぴたりと言い当てていて、彼の言葉えらびのセンスの良さが伝わります。

(好きな翻訳家だから褒めまくるよ~)

冒頭の文章も。これを読んだら、私が語ることなど何にもありますまい。こんな本紹介をしてみたいと思わされる、あとがきもぜひ読んでみてください。

 

おすすめポイント

 

◇不思議系ファンタジー

金原瑞人さん翻訳

◇国語教科書でおすすめしている本