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青りんごの本棚

~10代の読書案内~

ポール・フライシュマン『種をまく人』

海外の本 児童文学
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種をまく人

種をまく人

 

 

原題は『SEED FOLKS』
SEEDは「種」、FOLKSは「人びと・種族」という意味。

舞台は、アメリカ北西部のオハイオ州クリーヴランド。多くの移民が暮らす町、その貧しい地域の一角に、空き地があった。空き地といっても、公園のような場所ではなくて、それはこんなところ。

 


そこらじゅうに古タイヤとか、生ゴミをつめこんだビニール袋なんかがいっぱい捨ててありました。そういうのをよけながら歩いていくと、ネズミが二匹、残飯をあさっていて、ぎくっと足がとまってしまいました。

 

こんなゴミ捨て場のような空き地に、ひとりの女の子がやってきてマメの種をうえる。

名前はキム。キムの家族はベトナムからやってきた。

キムはお父さんがどんな人だったのかを知らない。キムが生まれる前にお父さんは亡くなってしまったから。

ベトナムにいたころお百姓をしていたお父さんを思い、キムはマメを植えることを思いついたのだけど、このキムの小さな行動が空き地に少しづつ変化を与える。

空き地には、移民の町らしく、さまざまな人種、年齢の人たちが集まってきて、にぎやかにカラフルに変わってゆく。いろんな国のいろんな言葉が飛び出して、なるほど~って思う。私が気に入ったのはインドからきたアミールの語ったこのセリフ。

 

<blockquote>
わたしたちは本当は、相手がどんな人なのかなんて知らない。いろいろな噂のうしろに、本当のことは隠れているのかもしれない―アーモンドの実が厚い殻に隠れているように。</blockquote>

 

みんなが集まるその場所は、もう「捨てる」場所ではなかった。そして、少しづつ変わっていくのは、この空き地だけじゃなかったみたい。彼らが実らせたのはマメだけではなかったみたいです。

 

おすすめポイント

◇世界のベストセラー
◇中学校国語教科書でも紹介されています