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青りんごの本棚

~10代の読書案内~

吉本ばなな 『TUGUMI(つぐみ)』

文学小説
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TUGUMI (中公文庫)
 

 

「確かにつぐみは、いやな女の子だった」

病弱でわがままな美しい少女つぐみとまりあはいとこ同士。海辺の小さな町で旅館・山本屋を営むつぐみの家で、まりあとつぐみ、そしてつぐみの姉の陽子ちゃんはずっと一緒に育ってきた。

 

まりあが母の再婚で東京へ引っ越した夏、つぐみの父は山本屋を畳むことに決めた。あの町で最後の夏を過ごすため、まりあはふるさとの海へと帰省する。

 

なつかしさの足跡を拾い上げながら、日々を惜しみ、愛しむ。変わりゆく季節のように少しづつ大人へとなりゆく少女たちの透明でかけがえのない夏。吉本ばななさんの作品の中でも、『キッチン』と並んで10代にぜひ読んでほしい本。

 

 

ばななさんはあとがきで、いつも家族と過ごす海――そこは彼女にとって故郷のようなものでもある――のその何もなさ、海があり、散歩や泳ぎや夕暮れを繰り返す日々の感じをきちんととどめておきたくてこの小説を書いたと、述べています。

 

物語の中には、少女たちを包むように、いつもそこに変わらずに海がある。

この本を読むとあの海の町に帰りたくなるのは、わたしの中にも海があるから。かえる場所がなつかしく、そしてかけがえのないものなのだと気付かされる。

 

おすすめポイント

◇第2回山本周五郎賞受賞

◇夏に読みたい本

◇中学校国語教科書でおすすめの本

 

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