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青りんごの本棚

~10代の読書案内~

百田尚樹『輝く夜』

エンタメ小説 短編・アンソロジー
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奇蹟ってやっぱりあるのねって信じたくなるような。
だれかにやさしい気持ちを分けてあげたくなるような。
(そんな分け与える余裕があるとも思えないけれど、それでも分けてあげたいと思えるような)

 

さみしいクリスマスの夜に、ちょっと不思議で「ほんとうにこんなことが起こったらステキッ」な、5つの物語。

 

魔法の万年筆」「猫」「ケーキ」「タクシー」「サンタクロース」
どのおはなしも、さみしいクリスマスを過ごす女性が主人公。

魔法の万年筆」の恵子、「猫」の雅子、の依子は彼氏なしのひとりぼっちだし、恵子はクビを言い渡され、雅子も派遣の仕事の最終日だったりする。あぁ~もうなんで今日がクリスマスなのと、そりゃあ凹むでしょ。


「タクシー」の依子も、もちろんひとり。酔っぱらって道路で転んでハイヒールを折っちゃうようなイヴの夜を過ごしてる。
「ケーキ」の杉野さんなんて、二十歳なのに全身にガンが転移していて、今夜が峠…。
「サンタクロース」は家族の物語なのだけれど、母親の和子はちょっと悩みを抱えている。

どの話もクリスマスらしい、心あたたまる奇蹟がおこります。
お気に入りは「猫」。こういうストーリー、女の子なら大好きだよね。いくつになっても夢見る少女ですから。
魔法の万年筆」「ケーキ」はファンタジックで、クリスマスらしい。
「タクシー」は「賢者の贈り物」っぽいすれ違いが切ないストーリー。

ドラマ化しても面白そうと思わせるあたりは、さすが『探偵!ナイトスクープ構成作家の百田さんらしいです。

クリスマスの予定がある人も、ない人も、泣く泣くない人も(なんのこっちゃ)。
心あたたまるクリスマスの奇蹟をそばに感じるような、おすすめの一冊です。

注:イヴをひとりで過ごす夜には読まないでください。寂しさ倍増で、きっと泣いちゃいますから。

 

輝く夜 (講談社文庫)

輝く夜 (講談社文庫)

 

 

 おすすめポイント

◇クリスマスの本

◇単行本タイトルは『聖夜の贈り物』