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青りんごの本棚

~10代の読書案内~

本からはじまる物語

短編・アンソロジー
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おかあさんのインスタ見てるとさ、毎日おやつ食べて本読んでばっかりだよね。
いい仕事だなぁ~。
と、娘から褒められましたʕ→ᴥ←ʔ ←なんか違う?


 本好きならきっと気に入る短い物語

(株)トーハン発行『出版フォーラム』の連載「本からはじまる物語」(2005年1月号~2007年12月号)に掲載されていたものを1冊にまとめたアンソロジー。「本」をテーマにしたショートショートで、どれも10ページほどの短いものばかり。すきま時間のふらり読みにもおすすめです。

   * もくじ*

恩田 陸 「飛び出す、絵本」
本多孝好 「十一月の約束」
今江祥智 「招き猫異譚」
二階堂黎人「白ヒゲの紳士」
阿刀田高 「本屋の魔法使い」
いしいしんじ「サラマンダー」
柴崎友香  「世界の片隅で」
朱川湊人  「読書家ロップ」
篠田節子  「バックヤード」
山本一力  「閻魔堂の虹」
大道珠貴  「気が向いたらおいでね」
市川拓司  「さよならのかわりに」
山崎洋子  「メッセージ」
有栖川有栖 「迷宮書店」
梨木香歩  「本棚にならぶ」
石田衣良  「23時のブックストア」
内海隆一郎 「生きてきた証に」
三崎亜記  「The Book Day」

すごく豪華な作家陣でしょ。


「好き」な作家さんや「読んでみたかった」作家さんばかり。中には、好みではなさそう~だけど、読んでみたらおもしろかったって作家さんもいたりして、いろんな作家さんをちょこっとずつ味わえるチョコレートボックスのような1冊。(だからアンソロジーって好き)

 

本好きな私は、するりとひきこまれてしまいました。同じテーマでも、作品のカラーはそれぞれ個性がうかがえる、味わいの異なる作品ばかり。このへんは、さすが荒波を超えてトップを走っている作家さんならではの実力!!

 

恩田さんの「飛び出す絵本」にはじまり、三崎さんの「The Book Day」に終わる。このふたつの作品、別の作家さんの違う作品のはずなのに、どこかリンクしている。三崎さんは狙って書き上げたのだろうかと思うほどの。最後まで読み終えて、「あぁ、やっぱりね。そうじゃなくっちゃ」と、満ち足りたところにすとんとおろされたような充実感。恋愛ドラマのように、別れた恋人たちが回り道してやっぱり結ばれた時のような、あの感じ。この本丸ごと1冊はじめからおわりまでもが1つの読み物になってたのかも、と思える。


私のお気に入りベスト3

ネタバレにならないようにさっくりと。

ヤラレタ~と思ったのは、有栖川有栖さんの「迷宮書店」。宮沢賢治のあの名作をモチーフにしています。森の中で迷子になった2人の紳士が、レストランならぬ本屋さんを見つけるという、私も大好きな原作。どんなオチが待っているの~。

内海隆一郎さんの「生きてきた証に」なんかも、ザ・本!!って感じの裏切らなさがよい。加藤さんの経営する書店の本棚に、このところ手作りの本が差し込まれている。五十ページそこそこで、本というより文集といった感じのそれは、表紙に『生きてきた証に』と毛筆体で記されてある。


はじめましての山本一力さん「閻魔堂の虹」は、時代もの。貸本屋・閻魔堂(えんまどう)の店番・弥太郎とお客の女中との淡い(?)恋心のからむおはなし。どんな物語になるのかな?と期待しつつ、おもしろくまとまっていて、山本さんのカラーが見えるような。


興味深かったのは、猫の出てくる作品がいくつかあったところ。「吾輩は猫である」にも代表されるように、猫と文学は相性がいいのかしら?先の閻魔堂にもねこが出てくるんだよね。

猫の出てくるおはなしは、どこかユーモラスでつかみどころがないものが多い。猫の中でも、お気に入りは「読書家ロップ」。ぼくが古本屋でから00円で買ってきたロシア語の本を、猫のロップは気に入ったようで、くんくん匂いを嗅いだり表紙をねこパンチ。まるで開けと言ってるみたいに。ぼくが本を開いてやると、しきりに首を動かし、まるで本を読んでいるみたいなんだけれど…。さてロップの読んでいる本はいったいどんな本なんでしょう。

うちのあんずだったら本をかじかじしちゃうところだけど、ねこはちゃんと読めるのね。かんしん、かんしん。

 

おすすめポイント

◇本をテーマにした小説・短編集

◇いろんな作家さんを読みたい人に

◇朝読書や通学・通勤に

 

本からはじまる物語

本からはじまる物語