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青りんごの本棚

~10代の読書案内~

儀府成一『リルラの手袋』

絵本 名作・古典
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宮沢賢治とも交流のあった岩手県生まれの作家・儀府成一。

地元でも、実はあまり名前を知られていな。

儀府さんのプロフィールをまずご紹介しますね。


1909年岩手県生まれ。

10代より詩を書き、昭和7年から宮沢賢治と親交をもつ。

その後、出版社勤務のかたわら小説・童話を発表。別名・母木光、月丘きみ夫。

 

作品を読んで、これだけの作家さんをいままで知らなかったことにかなりの衝撃を受けました。ショックに近い。宮沢賢治新美南吉小川未明。大好きな童話作家さんたちですが、儀府成一はここに並べたい童話作家さん。

 

「序」からはじまり、「口笛ドルニョオン」「リルラの手袋」「河馬の名刺」の3作品が収録されています。
「口笛ドルニョオン」 かわいそうなみなし児のドルニョオンにある日、不思議なうたが聞こえるようになって…
「リルラの手袋」 姉さんがとても素敵な手袋を編んでくれました。リルラの自慢の手袋でしたが…
「河馬の名刺」 河馬の大紳士マーヌンケ・ポスボズは名刺を作ろうと思いついて…

ぜひ、読んでほしいのであらすじは書きませんが。


ちょっとファンタジックで幻想的。文体は、先に述べた作家さんたちに近く ― 「ですます調」に急に「○○だ」が突然飛び出してきたりで入り混じってるあの文体― なんかほっとして、お気に入りなのです。


「こういうお話が読みたかった」と思わず、満たされたため息をつきたくなるお話です。よみきかせが好きなウチの子なら「こんなお話が聞きたかった」ってところかな。

実は、一番心を打たれたのは「序」です。儀府さんの童話に込めた思いに共感し、童話を読む前にはもう「この人いいなぁ」って(^v^)
儀府さんはこんな風に語っています。

 

これは、パンとかおみそとか、そういったものにくらべるためのものではありません。そのかわり、あとであなたに、ただ一口の汲みたての水か、めざめた頬をふきすぎて行く夜あけのそよ風のようなものであってくれたら、どんなにうれしいかわかりません。

 

自分が物語に求めていたものって、そんなふうなことなのだと、こちらも少し背筋を正したくなるような、それでいて、純粋にただ物語を楽しみたい思いがよみがえるようなことばです。

 

リルラの手袋

リルラの手袋

 

 

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