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青りんごの本棚

~10代の読書案内~

灰谷健次郎『手と目と声と』

中学生 児童文学
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娘が、『太陽の子』読んで以来、灰谷さんにハマっている。

私の好きな作家さんでもあるので、ふたりでそんな話で盛り上がってばっかりいるからか、珍しく息子(小6)が学校の図書館から借りてきた。


 
珍しく、というのは、ふだんは私のすすめる本はあまり読みたがらないから。

函入りの本は、あまり読まれていないらしく、綺麗であった。

 

(↓写真は角川文庫で、私が読んだ函入り単行本とは別物。
BOOKデータベースによると、4つの短編集のようであるが、函入り単行本は、「友」を含む5編収録)

 

どの作品も灰谷さんらしく、子どもの姿がまっすぐ描かれていて、その純粋さが本当にキラキラしていて切なく、それだけに、そこに向き合う大人の姿に心許なさを感じてしまう。

 

それは、読んでいる私がすっかり大人だからなのだろうけれど。

「水の話」が文章もすっきりしていて、物語にもひきこまれる。
「友」は、今の時代には少し合わないかもしれないな、と思う点はあるが、(特にラストなんて、こんな父親は最近いないだろうなぁ。こんな先生はまだいるのかなぁ。)時代は変わっても、美那子の声はいちいち頷けてしまう。

 

「パパのいう意味はわかるけれど、
そんなふうに何もかも先まわりして、間違いのないところだけで生きる人って、
わたしはイヤ」(P182)

 

 

小学生には少し大人っぽいかしらと思いつつも、分からなくてもいいのだから、こういう作品を追いかけて欲しいなと思うような作品。

 

 

(BOOKデータベースより)
「長いあいだ、ぼくは抵抗してきたよ。長い抵抗だった」―在日朝鮮人水泳選手のきびしい生きざまが、中学生たちの心を熱く揺さぶる「水の話」。

沖縄を旅する少女の心情を細やかに綴った「手」。

インドネシアで出会った子どもたちの澄みきった瞳が印象的な「目」。

そして、障害を持つ子どもたちが内に秘めた豊かな世界を生き生きと描き出す「声」。

さまざまな人生、さまざまないのちを真摯に見つめ、読む人の心に豊かな光を宿らせる、宝石のような四編の小品。

 

 

手と目と声と (角川文庫)

手と目と声と (角川文庫)