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青りんごの本棚

~10代の読書案内~

マーギー・プロイス『ジョン万次郎 海を渡ったサムライ魂』

ノンフィクション 伝記・人物
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14歳で漁船が遭難し、アメリカに渡った万次郎。
現地では、アメリカに足を踏み入れた最初の日本人として「アメリカを発見した少年」と呼ばれたそうです。

 

海の向こうには鬼が住んでいて、捕まったら喰われるとか思われていた時代。
日本とはスケールも考え方も違うアメリカでの生活へのカルチャーショック。
それから、アメリカ人による差別。
国を離れ、家族と離れ、10代を知らない国で過ごすことの、不安や孤独はどれほどだろうとも思う。

 

やがて、万次郎は自力で資金を調達して、仲間を探し、日本に戻ります。10代でそれをやりのける逞しさったら。

 

ところが、日本に戻ってからも、すぐには家に戻れず…。
私は、この章が一番、心つかまれました。
やっと日本についたのに家に帰れない焦りや切なさとか、あとは島津斉彬の前でアメリカについて語るところとか。

 

11年の歳月を経て、故郷にたどり着いたその時、家は…、母は…。
そして、ラスト土佐藩主・山内容堂の使いの者が万次郎を迎えに来るのですが、密偵として再び囚われの身となるのか…、はたまた…。

 

原題は「HEART OF A SAMURAI」

漁師の子として生まれ、漁師として生きていく。
そういう人生しか選べなかった時代に、侍となり、日本を動かすキーパーソンとなった万次郎の人生の、なんてドラマチックなことはもちろん、一人の青年の成長記として、時代を忘れてのめりこみました。

秀吉の出世物語よりも、心動かされるなぁ。

 

いくつかフィクションも織り交ぜてありますが、登場人物の多くは実在する人物です。
ジョン万次郎について書かれた本はいくつもありますが、万次郎の青年期を直に感じられるような著書として、断然おすすめです。著者は海外の作家さんですが、金原さんの翻訳が、いつもながらとってもいいです。

歴史上の人物としてのジョン万次郎を知らなくても楽しめますが、簡単な経歴を知っていると読みやすいかもしれません。そういう方は、あとがきを少し読んでから本文を読んでもいいと思います。

 

(「BOOK」データベースより)
1800年代。アメリカ東部に暮らした初めての日本人、ジョン万次郎(中浜万次郎)。
言葉も習慣も異なる地で、いじめや差別にくじけることなく、強く生き抜いていった秘訣は何だったのだろう?

アメリカに残された記録や資料をもとに、
日本が誇るバイリンガルジョン万次郎
青春時代を鮮やかに描いた物語。
2011年ニューベリー賞オナー受賞。

 

おすすめポイント

 

◇実話を基にした小説

◇全国読書感想文コンクール課題図書

 

 

ジョン万次郎 海を渡ったサムライ魂

ジョン万次郎 海を渡ったサムライ魂