青りんごの本棚

ごはんと本とコーヒーと

夫とカレンダーとしめ縄飾り

青りんごの本棚:夫としめ縄飾りとカレンダー​​ 

男性にしては珍しく、夫は買い物が好きである。

日用品や雑貨を取り扱う仕事をしているくらいだから、 わたしよりも季節の移ろいや世間の流行に詳しい。

仕事柄か、準備も早く、余念がない。

ということをわたしはもっと早くに意識しておくべきだった。

 

仕事から帰った夫が手にしたビニール袋から取り出したのは・・・

カ、カレンダー!!

 

「えっ!!」

思わず険を含んだ声がでてしまった。

 

シンプルなタイプのファミリーカレンダー。

わたしがいつもファミリーカレンダーを購入しているのを知ってくれているのはうれしいが・・・。

でもでも、ちょっとかわいいカレンダーが欲しくて、決めかねていたんだよ。

お気に入りのキュートなあの絵本キャラクターのカレンダーにしようかな、とか。

 

 

うさぎがかわいい大好きなイラストレーターさんのあのカレンダーもいいかな、とか。 ​

 

あのたのしいパンやさん家族のカレンダーも捨てがたい!とか。

 

​ ​ 沈黙のまま、カレンダーをながめるわたしに

「要らなかった?」と申し訳なさそうに夫が言う。

「あっ、いや、その~。ちょっとかわいのほしいな、と思っ、てたんだよね・・・」

「そういってるうちに年内に買わないじゃん」

ぎくっ。それ、過去にあったパターン。

 

・・・・・・。

 

沈黙を破るように、続けて夫がビニール袋から取り出したのは・・・

しめ縄飾り・・・_(:3 」∠)_

今年はおしゃれなしめ縄飾りを飾りたいと、あれこれ探していたところ。

 

こころをとらえるすてきなしめ縄飾りを見つけたので、ちょうど、今夜夫に相談しようと思っていたところだったのだ。

瞬間、すべてが停止したわたしに夫が表情のない声で言う。

「返品してこようか」

とても穏やかな人なのだ。

めったに不機嫌になることもない。

その夫が、投げやりになっている。

これは、いかん。

「返品までしなくていいよ」 と言いながらも、もやもやしたまま消化しきれない気持ちでお互いにもくもくと夕飯をすます。

 

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「あっ!かわいいカレンダーだ」

その夜遅く帰ってきた娘は新しいカレンダーを見つけると、

さっそく1月からのバイトのシフトを書きこんだ。

「お母さんにはキレられたけど」と何気なく娘に愚痴る夫。

むすめ「あらま」

わたし「​キレてないって​

↑こちらは、「長州力DVD-BOX 革命の系譜 新日本プロレス&全日本プロレス 激闘名勝負集」

 

夫「いや、あれはキレてたね」

私「あれっ、かわいいね♡」

ふと見ると、娘がカレンダーのスペースにイラストを描きこんでいる。

 

娘「このカレンダー、絵が描けていいね」

私「うん、そうだね」

お気に入りキャラクターのカレンダーは、また別の機会にしよう。

私「そうだ、お父さんがしめ縄も買ってきてくれたんだよ」

娘「あっ、イノシシかわいい」

夫「お母さんはキレたけどね」

私「いや、だから​キレてないって​

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長州力さん、す、すみません。

こちらは昭和プロレスの象徴ともいえる長州力さんの生い立ちから舞台裏まで迫るノンフィクション。

 

正月飾りとカレンダー。

欲しかったものとはちょっと違ったが、 ごくありふれたこのデザインは、いまのわたしたちの暮らしにすぐにぴったりとなじむはずだ。

 

新しい年も、ごくありふれた幸せであふれますようにと願いをこめて。

 

おしゃれな正月飾りは次の年に持ち越します。

『タッセル凛』モダンでとってもすてきなんですよ。

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