青りんごの本棚

~本とごはんとコーヒーと。10代の読書案内~

赤川次郎 『黒い壁』

赤川次郎さんの作品なのに、表紙が酒井駒子さん。

なんだかすごい組み合わせ。

ジャケ買いだったけど、アタリだったこの本。

 

ある夜、帰宅途中の道で利根は不思議な光景に出くわす。
白いコートを真っ赤に染めて、銃弾に倒れる女性に必死の助けを求められる。
なすすべもないまま、翌朝、死体は消えていた。
夢だったのだろうか。
しかし、彼女から託された、小さな銀のロケットはたしかに残されている。

利根の身の周りでは、不思議な出来事が次々と起こりはじめる。
大学時代の同級生・野川からドイツ土産に“ベルリンの壁のかけら”を受けとってから…。

統一前のドイツの闇に迫るホラー・サスペンス。

 

ふとした拍子に、投げ出される暗くじめじめとしたトンネルがまた怖い。
戻ってくると体中が泥だらけになってるのよ。
ミステリーなのかホラーなのか、とおそるおそるページをめくるうちに、あっというまに物語の世界に巻き込まれていく感覚。すっかり引きずり込まれちゃって2日で読了。

 

酒井駒子さんのジャケ買いでしたが、期待以上の作品でした。
ちなみに読み終えてから表紙を見て、
「…このふたりって、どちらさまでしたっけ?」
というちょい脇役なふたり。
表紙のふたりが誰なのか?を裏テーマにぜひ読んでみるのもおもしろい、かも。

赤川次郎らしい軽い文体ではあるけれど、悲しく重い歴史が見えてくる。

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黒い壁 (角川文庫)

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