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青りんごの本棚

~本とごはんとコーヒーと。10代の読書案内~

重松清『赤ヘル1975』

赤ヘルとは、どんぴしゃり「カープ軍団」のこと。
この時代をリアルに体験してきたカープファンの方には、迷わず購入されることをおすすめします。

 

日本で唯一の市民球団である広島カープが、最下位を脱して優勝するまでの劇的な数か月とリンクして、三人の少年たちの友情、ふがいない父親とマナブとの親子の物語が描かれています。

いつもの重松さんらしい、少年たちの友情物語と思いきや、少年半分×カープ半分というくらい、カープ記事も満載。毎回登場する、ユキオの誤字脱字ばかりの壁新聞『赤ヘルニュース』もいい味出してるけどね。

主人公たちは、戦争を知らない世代の中学一年生。広島には、戦争や原爆のなごりが日常の中にあること、それを「よそモン」である自分はどう受け止めて関わるべきなのか、戸惑いながら少しずつ吸収していくマナブの変化に注目です。

 


そもそも、昭和二十年八月六日以降に生まれたひとはみんな、原爆については「よそモン」になってしまう。(中略)広島の街は「よそモン」がどんどん増えていく。戦争や原爆を知っている世代は、それでいい、と思ってくれるだろうか。「平和がつづくんが一番じゃ。戦争やら原爆やらはしらんでもええ」と喜んでくれるのだろうか。それとも、心の片隅では、少し寂しくなってしまうのだろうか。(366ページ)

 

怪しい商売に手を出しては失敗ばかり繰り返している父親を「しかたがない」と受け入れている子どもの姿にも、母としては心打たれるけど。

野球に詳しくない私には、カープの快進撃は読みやすいとは言えず、流し読みしちゃったところもあったけど。そんな私のために、ぜひともドラマ化を希望。絶対、泣けちゃうなぁ。

 

 (BOOKデータベースより)
一九七五年――昭和五十年。広島カープの帽子が紺から赤に変わり、原爆投下から三十年が経った年、一人の少年が東京から引っ越してきた。
やんちゃな野球少年・ヤス、新聞記者志望のユキオ、そして頼りない父親に連れられてきた東京の少年・マナブ。
カープは開幕十試合を終えて四勝六敗。
まだ誰も奇跡のはじまりに気づいていない頃、子供たちの物語は幕を開ける。

 

おすすめポイント

 

◇広島を舞台にした物語

◇野球が好きな人に

◇特に広島カープファンは必読。

 

赤ヘル1975 (講談社文庫)

赤ヘル1975 (講談社文庫)

 

 

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