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青りんごの本棚

~本とごはんとコーヒーと。10代の読書案内~

中脇初枝『あかい花』

女子による女子のための女子小説、です。

男女平等という言葉を耳にする機会が多いが、「同等の人権を与えられるべき」という思想のことだと私はとらえている。

 

世界がひっくり返っても、男女は「同じ」になることはない。

男性が、子供を身ごもり出産できるように私たち人間の体が変化(あるいは進化ともいえるのか)することがあればまた、話は別だが。

 

自分の体の中で10か月という期間、他者を自分の体で丸ごと包み込み同化する。

身ごもるとは、そういうことなのだ。

このオプション機能のために、女子は生まれながらに、ややこしいことを抱えている。

男性も男性であるがゆえにいろいろとあるのでしょうが、私はそのことに口を突っ込むつもりもないので、男性のみなさんも「女子」の問題に口をはさむのはやめていただきたい。

 

ということで、こちら。

女子による女子のための女子小説、です。

 

女性だけに訪れる思春期の体の変化をテーマにした8つの短編集。

物語の主人公である、8人の少女たちは年齢もさまざまで、「女性」のとらえ方もそれぞれ。

公然と語られないからこそ、神秘的でありタブーのようにどこか恐れを抱かせる。女であるがゆえに、逃れられない性(さが)がある。

 

村田喜代子さんの『12のトイレ』という短編集がある。ひとりの少女が女性へと成長していくまでをトイレになぞらえて描かれる。それまで出会ったことのなかった作品で、とても気に入っている。

 

心の成長を描く作品は多いが、女子の体の成長を少し客観的に、その世代の目線で文学として描いた作品は少ない。あるのかもしれないが、私は出会ったことがない。こういう作品あってもいいのにな、と思っていたところで見つけた中脇初枝さんの『あかい花』。

女子のみなさんにぜひ。

性を描くといっても、中学生に読ませられないような内容の本ではありませんので、ご安心を。

 

中脇さんの引き出しの多さにも、驚かされる。

 

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あかい花

あかい花