青りんごの本棚

~本とごはんとコーヒーと。10代の読書案内~

安東みきえ『頭のうちどころが悪かった熊の話』

 

ぼんやりしているつもりはないが、よくあちこちにぶつかって歩く。

先日も、車に乗り込もうとしたところで思いっきり頭を打った。いつものんびりの私でも急いでいたので、勢いがついた。がつ~んと頭蓋骨にまでびりびり響く。

 

毎日運転をしているのに、どんなことがあれば目論見を誤るのかさっぱり見当がつかないが、そんなことを考える余裕すらない。私の頭の中には、ジョジョの奇妙な冒険のスタンドのように、『ガンガン』という巨大なロゴがごろごろと転がっている。

ダメージ180。

 

安東みきえさんの『頭のうちどころが悪かった熊の話』に登場する熊も、どこかに頭をぶつけたらしい。頭の打ちどころが悪かったのか、なんにもさっぱり思い出せないのだ。

「レディベア」のこと以外は。

でも、「レディベア」ってだれなの?

 

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父さんにのみこまれちゃったへび、

まっしろなシラサギに憧れるカラス、

ヤゴと親友になったおたまじゃくし。

 

気まぐれでシュールな7つのおはなし。ありえないはずの動物のおはなしが、まわりのだれかにどこか似ているようでつい重ねて、「ぷっ」と笑える。

 

「ないものねだりのカラス」「池の中の王様」はどちらもともだちをテーマにしたもの。カラスのひねくれっぷりが他人とは思えない。

 

小さい人から大人まで、読者を選ばない。折々に出てくる下和田サチヨさんのイラストもいいスパイスになっています。

 

頭のうちどころが悪かった熊の話 (新潮文庫)

頭のうちどころが悪かった熊の話 (新潮文庫)

 

 

おすすめポイント

◇収録作品「いただきます」で今江祥智賞を受賞

◇国語教科書で紹介している本