母の日パンケーキと『ひきこもりの弟だった』
母の日にと、娘がパンケーキを焼いてくれました。
あんまり嬉しかったので、晩ご飯はパンケーキにしましたよ←パスタも食べた人
単行本と文庫本、よりたくさん読んでいるのは文庫本の方だが、単行本の方が好み。
単行本のいいところは、タイトルと装丁と最初の数行を読んだだけで、その本を読むかどうか決められるところ。後ろについている紹介文を思わず先に読んでしまうから、文庫本は少し苦手。それだけで、知った気になってしまって中を開かないことも少なくない。私のよくないところかもしれないけれど。
あらすじやだれかの評価なんて知らずに読む方が、うんとおもしろい。振り返ると、自分の物語となっているのはそんな風に出会えた本だけだ。
『ひきこもりの弟だった』葦舟なつ
2017-34冊目
これは、タイトルと装丁だけで手に入れた文庫本。このごろの私は本の帯の威力をあまり信用していない。
読み終えてから「あぁ、あったの」と三秋縋さんの帯に気づく。←三秋さんごめんなさい。
そして読み終えて、私が語ることなど何もないほどに、三秋さんの帯のひとことが全て、だ。
この本を読んで何も感じない人もきっといる。
そして、この本をゴミ箱に捨ててしまいたくなるほどえぐられる人も、きっといる。
私はもうこの本を読まないかもしれない。
他に読みたい本もたくさんあるからね。
でも、手元から離さない。
この物語を私は忘れることがない。
その細部まで、この物語はわたしの中に残ってしまった。
とにかく。すごく心を揺さぶられた。
これが、電撃小説大賞選考委員奨励賞ならば、大賞はどれほどすごい物語なのかな。
でも、ごめん。
大賞も素晴らしい作品だろうけれど、私はしばらくは手に取らないだろうな。ごめん。
読まないけど、私にとってはこの作品があればいい。そう思える作品。三秋さんよりも、たぶん私の方がこの本を絶賛してる。
母の日に添えて。