青りんごの本棚

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重松清 『十字架』

十字架の重みは、それを背負ったことのある者にしかわからない。

胸に刺さった傷は、すごく痛くて、なかなか立ち直れなかったり、致命傷になることだってあるけれど、生きていればいつか癒すこともできる。

 

誰かを失ってしまった十字架は、一度背負ってしまったらもう降ろすことはできない。歩いているかぎり、生きているかぎり、本当に降ろしてしまうことはない。

 

<親友になってくれてありがとう>と、ぼくの名前を書きのこし、あいつは自殺した。

遺書に残された名前は4つ。

いじめをしていた三島と根本、フジジュンが好意を寄せていた中川さん、それからぼく。

でもぼくは、フジジュンのことを親友だと思ったことはなかった。「親友だったら、なんで助けなかった」とあのひとに言われても、何も言い返せない。なぜフジジュンは、ぼくの名前を遺書に書きのこしたのか?いじめを止めることのなかったぼくたちには、この時まだ、自分が背負わされた十字架の重さに気づいていなかったー。

 

失う苦しみよりも重い十字架を、知っているだろうか。

許されないことの苦しみを背負い続けることのないように。

 

おすすめポイント

◇吉川英文学賞受賞

◇いじめをテーマにした本

◇映画「十字架」原作

 

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十字架 (講談社文庫)

十字架 (講談社文庫)

 

 

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