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青りんごの本棚

~本とごはんとコーヒーと。10代の読書案内~

百田尚樹『海賊とよばれた男』

舞台は戦前から戦後。
日本の石油産業を支え、礎を築いた出光石油の社長をモデルに描かれた小説である。


日本を愛し、社員をなによりも大切にし、石油に夢を託した、決して饒舌ではいが骨太な日本男児の鐵造に心打たれます。

「店員は家族と同然である。社歴の浅い深いは関係ない。君たちは家が苦しくなったら、幼い家族を切り捨てるのか」

序盤のシーンである。
読み始めたばかりなのに、もう涙。いま、こんなことを言ってくれる懐のでかい社長が日本にどれくらいいるのだろうか。こんな大きなポリシーを掲げた会社がどのくらいあるのだろうか。こういう男が、会社が戦後の日本を大きく支えてきたのだな。
石油を奪い合うために戦争がはじまり、石油を失ったために戦争に負けた。
いまの生活があるのも彼らのおかげなのは間違いない。
彼の人生を知ることは、いまの生活のありがたさを感じることに通じる。


上下巻で決して短くはないが、アップテンポに物語は進むので惹きこまれてさくさくと読み進めやすいです。

お気に入りは、石油凍結の決戦inシベリアでは、スタンダード石油・ヴァキューム社を相手にぎゃふんと言わせちゃうシーン。

「もしも国岡商店がつぶれるようなことがあれば、ぼくは店員たちとともに乞食をする」の重みのある言葉を言っちゃう気概、男が惚れる男ってこういう人なんだろうなぁ。

 

おすすめポイント

 

◇第10回本屋大賞受賞

◇映画化原作

 

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海賊とよばれた男(上) (講談社文庫)

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