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青りんごの本棚

~本とごはんとコーヒーと。10代の読書案内~

『隠れ家 アンネ・フランクと過ごした少年』 シャロン・ドガー

世界的ベストセラーとして知られる『アンネの日記』。ドイツ軍のユダヤ人迫害を逃れるために屋根裏での隠れ家生活を綴った少女の日記は、歴史的遺産ともいえる世界的ベストセラー。アンネの隠れ家に、フランク一家と同居していたペルス一家の長男ペーターが日記を書き残していたら…

という視点で描かれたのがこの作品。

アンネの日記』はぜひ読むように、と言われるが実は読んだことがないという人もたくさんいるんじゃないかな。女子トークのような語りの日記は男子には読みづらいかもしれないね。そんな人に特にお勧めしたい。

 

 

夢見がちな女の子全開のアンネの日記はちょっと読みづらい…と感じる男子には、ぜひこちらがおすすめ。この日記をみんなに読んでほしいと最後まで希望を持ち続けたアンネに対して、ペーターが恐れていることは、自分が女の子を抱くことなく死ぬかもしれないというリアルさ。

 

第1部では、アンネの日記ならぬ、隠れ家での日々を語る、『ペーターの日記』。アンネの日記と読み比べてみるのもおもしろいです。

第2部では、アンネの日記で描かれることのなかった「あの日」以降のことが描かれています。当時の記録や資料を元に、ペーターに起こったであろうことを想像を交えながら描かれているフィクションですが、当時収容所にいたユダヤ人の一般像であるといえるようです。残されている記録によると、実際のペーターもアウシュビッツ収容所に送られ郵便室で働き、その後マウトハウゼン強制収容所に向かう「死の行進」をさせられています。


アンネの日記がノンフィクションであるのに対して、こちらはフィクションですが、アンネの日記や史実をもとに描かれているためか、より現実的に身に迫る感じがあります。あとがきも合わせてどうぞ。

 

「はじめに」で著者は、こう語っています。

「想像しなおす」ことは、歴史を風化させないための、重要なひとつの方法といえるでしょう。

 

平和の鍵は、抑制力でも創造力でもない、想像力です。 そんな私はただの理想家なのかもしれないけど…。

 

隠れ家 アンネ・フランクと過ごした少年 (海外文学コレクション2)

隠れ家 アンネ・フランクと過ごした少年 (海外文学コレクション2)