青りんごの本棚

~本とごはんとコーヒーと。10代の読書案内~

朽木祥 『風の靴』 

海生(かいせい)は、お兄ちゃんが通う難関中学への受験に失敗して、公立中に通う一年生。3年後の高等科受験をさせようとしている両親の会話を聞き、海生は気がめいる。「もう、ほんとにサイテーだ。」しかし、1か月もしないうちに、もっとサイテーなことが起こる。

 

おじいちゃんが死んだのだ。海が大好きで、ヨットの操縦を教えてのくれたおじいちゃんの死に、いてもたってもいられなくなった海生は、親友の田明(でんめい、お父さんはお寺の住職さんだ)と、海路での家出を決行することに……。2人の少年とひとりの少女と一匹の船の旅が始まる。

 

受験に失敗、両親のプレッシャー、お兄ちゃんへのコンプレックスなど、中学生の周りには「もういやだ!!」と思うことがたくさん転がってて、家出をするというのは、よくある設定だけれども、本当の海原に飛び出していって、風を感じる、こんなに気持ちのいい家出はなかなかできないだろう。

 

『十五少年漂流記』が大好きで、その世界に憧れているふたりの少年だからこその冒険物語。ヨットを操るシーンでは、専門用語が飛び交って、本格的なヨット操縦を楽しめます。平成少年の海洋冒険かな。

 

海が好きな人、ヨットが好きな人、冒険に出かけていきたい人、あなたも「漂流記モード」全開で楽しんでください。家で寝転がって本を読んでいるのがもったいなくなる、夏におすすめの一冊です。

 

おすすめポイント

◇ちょこっと冒険小説

◇夏におすすめの本

◇読書感想文にも

 

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風の靴 (講談社文庫)

風の靴 (講談社文庫)