青りんごの本棚

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上橋菜穂子 『虚空の旅人』

守り人シリーズ第4弾。
なのに、バルサが出てこない。
なのに、めっちゃ面白かったぁ。

 

 

虚空の旅人 (新潮文庫)

虚空の旅人 (新潮文庫)

 

(BOOKデータベースより)
隣国サンガルの新王即位儀礼に招かれた新ヨゴ皇国皇太子チャグムと星読博士シュガは、〈ナユーグル・ライタの目〉と呼ばれる不思議な少女と出会った。
海底の民に魂を奪われ、生贄になる運命のその少女の背後には、とてつもない陰謀が――。
海の王国を舞台に、漂海民や国政を操る女たちが織り成す壮大なドラマ。
シリーズを大河物語へと導くきっかけとなった第4弾、ついに文庫化!!

 

サンガルは海の国で、そのまた海の向こうのタルシュ帝国も関わってきて、物語の舞台がぐんと広がる。
内乱があったり、国同士の探り合いがあったり、政治のかけひきもおもしろくて、一気読み。

今回の物語の主役は、チャグム。
皇太子として隣国の大切な儀式に招かれるのだが、事件に巻き込まれちゃうんだよね。
シュガ的には、「ほっときなさいチャグム様」というところなのだけれど、罪なきものが命を落とすと知りながら放っておけようなチャグムではない。

落ちつきと幼さ、冷静さと危うさ、いろんな面を持ったチャグムがとても魅力的に描かれていて、成長を感じてじ~んとする。チャグム、いい帝になるなぁ。

サンガルの皇女サルーナとの間に恋が芽生えそうな期待もしちゃったりして。

 

バルサが主人公の「守り人」シリーズ。「旅人」シリーズはチャグムが主役の外伝といったところなのかな?じゃあ、「行く者」シリーズは?

 

物語が進むほどに、これほど惹かれていくシリーズってこれまでなかったなぁ。それぞれが読み切りとしても楽しめながら、色を重ねるように深くなっていく。
こんな作家さん、なかなかいない。
上橋さん、さすがです。

 

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