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青りんごの本棚

~本とごはんとコーヒーと。10代の読書案内~

湊かなえ『高校入試』

一高の入試前日「入試をぶっつぶす!」と書かれた模造紙が、入試会場に貼り出された。

関係者以外立ち入りを禁じられた校内で、誰がそんな張り紙をしたのか。

入試をぶっつぶすとはどういう意味なのか。

 

県立橘第一高等学校。通称・一高。

一高に受かれば人生の目標を達成したという人も少なくない、県下有数の進学校である。

合格発表の翌日には、ゴミ捨て場に机が山積みされるという。もう勉強しなくてもいい、というわけ。

 

その一高で入試前日に見つかった犯行予告。校舎の中で外で、高校入試を巻き込んだトラブルが次々と巻き起こる。

 

公立高校で保護者の構内立入や生徒の携帯電話の持ち込みなど、トラブルを起こせと言わんばかりの設定に疑問だが、ストーリーのための必要事項かな。

話の通じない大人たちにイライラ。

 

結局、高校入試とは何なのか。

この物語は、ほんの1点差でも合否が分かれる天国と地獄の線引きという価値観への警鐘なのかもしれない。

しかし社会に出たら取捨選択されることはたくさんあって、(A君もB君も好きだけど、付き合うのはどちらか一方しかないんだよ)大事なのはそこからどう生きていくか。

周りの大人のフォローのなさが情けない。この小説の一番の主題は、ここかなと。親である私も、苦く読ませていただいた。

インターネットの掲示板への書き込みがこの物語の鍵にもなっているが、顔の見えない土俵でしか言葉をぶつけられないことに、大丈夫か?と少々心配にもなるが。

 

 おすすめポイント

◇高校入試を控えた人にはおすすめしないよ

◇ドラマ化原作

 

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