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青りんごの本棚

~本とごはんとコーヒーと。10代の読書案内~

アリになったカメラマン 昆虫写真家・栗林慧

昆虫カメラマンといえば、カメラを抱えた「永遠の少年」のイメージ。

自分がなりたいというよりも、その純真さや生き物との向き合い方に憧れている。

 

自分よりも小さなものに興味を持ち、大切に思う気持ち。
自分よりも大きな自然に敬意を払う謙虚さ。
昆虫や自然のもつ神秘を追い続ける、気持ちの純粋さ。
自然にタイミングを合わせるから、「待つ」ことのできる器の大きさも必要だろう。

私が大好きな昆虫カメラマン栗林慧さんの自伝ノンフィクション。

 


もともと昆虫が大好きな新開さんは農学部の出身。
(ちなみに栗林慧さんはカメラが先。昆虫写真家も入口はいろいろなのね)

カメムシやアブなんかを追いかけて家に連れ帰っては、観察・撮影しています。

新開さんは、これまでその生態があまり知られていない昆虫の生態をさぐりつつ、写真家としてその姿を撮影しています。その観察の様子を描く文章からは、昆虫観察が大好きなことが伝わります。瞳をキラキラさせてるだろう姿まで目に浮かぶわ。

興味深かったのは、カマキリモドキ。幼虫は、クモの背中に貼りついて、クモが出産したらその卵嚢にもぐりこみ、そのなかでぬくぬくと成長しちゃうそう。カッコウのようでもあるね。

 


(本文より)
人の生活の中で、昆虫をはじめいろいろな生き物、自然の営みがあることは、ぼくたち生きていく上では欠かせないことだ。なぜなら人は自然を利用して生きているからだ。
どんなに科学や文明が発達しても、人の社会から自然を完全に切り離しては生きていけない。自然が好きでもきらいでも、自然とはうまく付き合っていく必要がある。うまく付き合うことの中には、昆虫のことをよく知ること、そして昆虫の姿や生き様に感動し楽しむこともふくまれると、ぼくは感じている。


当たり前だけれど、強い言葉。

 

アリになったカメラマン 昆虫写真家・栗林慧

アリになったカメラマン 昆虫写真家・栗林慧