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青りんごの本棚

~本とごはんとコーヒーと。10代の読書案内~

重松清『まゆみのマーチ―自選短編集・女子編』

m松さんは、短編の人です。その重松さん自ら選ぶ短編集。いい作品が揃っていないわけはない。
「まゆみのマーチ」「ワニとハブとひょうたん池で」は、タイトルを見て以前読んだ時の自分が浮かびました。わたしにとっても気に入っている作品なんだなぁ、と実感する。
「セッちゃん」は「ワニ~」と似た雰囲気で、やっぱりせつなさとやるせなさが浮かぶ作品。これもよかったです。

どの作品も、悩める子どもが主人公だけれども、そばに必ず家族がいて、一緒に悩んでいます。「家族に支えられてるなんてカッコわるいよ~」とぼやきつつも、そっと肩に頭をもたせかかてくるような、女の子の強がりと頼りない部分にきゅんときます。そして、寄りかかりたいと思ってくれた時は必ずそばにいてあげなきゃダメだよ、と大人に向けてのメッセージもちゃんと受け取りました。

「また次の春へ―おまじない」は、東日本大震災を受けて書き下ろした短編。東京に暮らす主婦・マチコさんが子どもの頃に暮らしていた町が津波の被害にあい、自分にできることを…と被災地に向かう。
個人的にかぶる思いもあり、苦い思いがこみ上げて、正直なところ、ものがたりとして穏やかな気持ちでは読めませんでした。いいお話ですよ。重松さんが悪いのではなくて、ただの自己嫌悪…それにガソリンをまかれた感じ。バーニング アゲイン。
この「まゆみのマーチ」と「卒業ホームラン」の2冊の印税は全額、あしなが育英会に寄付されるそうです。この本がたくさんの人に読まれると、それが支援につながります。それを知ったら、私の自己嫌悪など取るに足らない。ふっ飛ばしちゃいました。まだまだ青いです…。

 

もくじ

 

まゆみのマーチ (『卒業 所収)
ワニとハブとひょうたん池で(『ナイフ』所収) (『ビタミンF 』所収)
カーネーション(『日曜日の夕刊』所収)
かさぶたまぶた(『ビタミンF 』所収)
また次の春へ―おまじない (書き下ろし)

 

まゆみのマーチ―自選短編集・女子編 (新潮文庫)

まゆみのマーチ―自選短編集・女子編 (新潮文庫)

 

 

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