青りんごの本棚

中学生・高校生におすすめの本をあつめています

道尾秀介『ノエル a story of stories』

藤城清治さんの表紙で、手にしたのは間違いない。

 ミステリータッチのちょっといい話を読んだ、という感じ。

主人公たちの抱えている寂しさや悲しみがストーリーとともに、どんどんとふくれてゆく。まるで、すでに完成されている童話の中の出来事のように、自分ではどうにもできない力に引きずられるようでもある。悲しい結末に向かってゆっくりと転がり落ちるかのように読ませ、最後には、人にしかできない解決を見せる。なんとも優しいミステリーだった。

彼らのとなりにいつも物語が寄り添うことの安心感と、人を信じることのあったかさ。すべてはこんな風にして、「必要なこと」なのだと妙に納得してしまう。

 

内容(「BOOK」データベースより)
孤独と暴力に耐える日々のなか、級友の弥生から絵本作りに誘われた中学生の圭介。妹の誕生に複雑な思いを抱きつつ、主人公と会話するように童話の続きを書き始める小学生の莉子。妻に先立たれ、生きる意味を見失いながらボランティアで読み聞かせをする元教師の与沢。三人が紡いだ自分だけの“物語”は、哀しい現実を飛び越えてゆく―。最高の技巧に驚嘆必至、傑作長編ミステリー。

 

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ノエル: -a story of stories- (新潮文庫)

ノエル: -a story of stories- (新潮文庫)