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青りんごの本棚

~本とごはんとコーヒーと。10代の読書案内~

辻村深月『水底フェスタ』

女は怖いよ。どんな男にも簡単に素顔など見せやしない。

 

広海は高校生、睦ッ代村の村長の息子だ。

睦ッ代村で毎年行われているロック・フェスティバル、略してムツシロックは広海の父である村長が誘致に力を入れた事業のひとつで、いまや日本五大ロックフェスティバルのひとつになっている。

 

そのムツシロックの会場で、広海は織場由貴美を見つけた。由貴美は、村出身のモデルで女優としても活動していたが、最近ではメディアでもあまり見かけなくなった。それでも小さな村では有名人だ。

 

やがて広海は由貴美に誘われるままに関係を持ってしまう。

世間の男子高校生たちは少しこの本を読んで学んだほうが良い。簡単に女に誘われた時ほど気を付けたほうが良い。

 

由貴美には広海に近づいた目的があった。それは村への復讐だった。

 

大人ぶってまるですべてを知っているかのようにふるまって、周りを見下して、いい人ぶって、だから本当のことは何も見えていない。まるで滑稽なピエロ。自分で笑わせている自覚のある分だけ、ピエロの方がうんと賢いけれど。

 

ひとつ真実が明かされるたびに、世界がぐるりと反転する感覚。

自分はただの子どもで、まだ周りに守られなければ何もできない存在なのだと思い知らされる。

それが、何度もぐるぐると回って何がなんだかわからなくなるほどに、何を信じていいのかわからずに、ただ怖い。

震えているのは、わからないからだろうか。

それとも、知ってしまったことが怖いのだろうか。

 

おすすめポイント

◇高校生が主人公のミステリー

◇中学生にはちょっと早いかな~

 

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水底フェスタ (文春文庫)

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