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青りんごの本棚

~本とごはんとコーヒーと。10代の読書案内~

濱野京子『木工少女』

英語教師の父親の転勤で、小学校生活最後の一年間を山奥の小さな村で過ごすことになった主人公、美楽(みらく)。


東京練馬育ちの美楽には、コンビニもじゃがりこもないド田舎の生活も、たった一年だけのクラスメートもなじめない。(というか、なじむつもりがない)

 


二学期からは東京へ帰ると宣言していた美楽だったが、山の中で「明野工房」を営む木工職人のデンさんと出会い、木のぬくもりに触れ、木工に目覚めていく。

 

「つくる」ということが好きです。不器用ながらも自分の手を動かし、何も考えずただ集中して、自分の感性にそって、何かをかたちにしていく。

 

答えがないようでいて、出来上がった作品を見るとちゃんと自分がそこに表れていたりします。そんな「つくる」ことが好きな人はこの本を楽しめる。

 

こういう生活に憧れるなぁ~という人と、わたしには無理だわっていう人と、意見が分かれそうですね。

 

小説の中では、林業の現状についても触れられています。
高校卒業後は林業に従事することを選んだ山田のこんな言葉があります。

 

 じいちゃんの植えた木を、あと何年かしたらおれが伐採する。それからオヤジが植えた木を、おれが手入れをする。枝打ちをしてりっぱな木材にする。それを、もしかしたら、おれの子どもか、孫が切ったりしてな。

 

林業は、長い年月をかけて取り組む仕事。
すぐに結果を出しがちな世の中ですが、こういう「待つ」姿勢って必要ですね。

木工少女

木工少女