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青りんごの本棚

~本とごはんとコーヒーと。10代の読書案内~

西條奈加 『睦月童』

 

 人の心を映す不思議な女の子が江戸の事件を謎と

国見屋は、江戸の町日本橋に店を構える下酒問屋。正月の朝、国見屋では奇妙なお客さんを迎えていた。主人が睦月の里から連れてきたそのお客は、7つくらいのひどくやせてた女の子で、名前をイオという。イオには、人の心を映す『鏡』という不思議があった。

その頃、町には「風神」」と呼ばれる盗人が悪さを働いていた。国見屋の主人は、息子の央介が風神に関わっているのではないかと心配しているのだが・・・。

町の小さな事件の謎を解決していくイオだが、『鏡』の能力をのぞけば、まだまだ小さい女の子。自分のもつ能力や睦月童としての宿命への悩みの中にある。睦月の里と関わりのある人たちとの出会いもあり、睦月の里の秘密が明らかになっていく後半は、予想していなかった展開にハラハラ。里見八犬伝のようなおもしろさがあったなぁ。

 

時代ものは、そもそも未知の世界の物語というところがあるからでしょうか、ファンタジックな展開もすんなりと違和感なく読めます。きれいな表紙が児童向けというイメージですが、内容を理解できて楽しめるのは中学生以上かな。


コミカルに語りながら、読ませるところは深く読ませ、どこか腑に落ちないような、読後にちょっと考えさせるお土産を残してくれる、いい作品。もっと読んでみたいと思わされる作家さん。

 

おすすめポイント

◇歴史ファンタジー

◇中学生から大人までおすすめ

睦月童(むつきわらし)

睦月童(むつきわらし)