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青りんごの本棚

~本とごはんとコーヒーと。10代の読書案内~

梨木香歩『エンジェル・エンジェル・エンジェル』

文庫本もっているけれど、先日ブックオフで単行本を見つけたので購入してしまった。
だって函入りってテンションあがるでしょ。第二刷だしさ。


梨木香歩さんといえば「西の魔女が死んだ」。

私は初読みしたこちらの作品のほうが好み。

 

熱帯魚を飼いたいコウコは、寝たきりの祖母の夜のトイレのお世話を引きうけることにした。
夜に目覚める祖母さわちゃんは、昼間とは違って、どこか覚醒しているようで、老人というよりまるで少女のようだった。

ウコとさわちゃん、交互に語り手を変えながらストーリーが進む。
さわちゃんが語り手になる場面では、少女に戻ったおばあちゃんがミッション系スクールに通っていたころの過去の記憶をたどり、コウコが語り手になるシーンでは現在のさわちゃんとコウコが夜を語る。

 

コウコの語りでは、夜の家の中という限られた時間と場面でしか展開しないのに対して、実生活では家の中にしかいないさわちゃんの語りでは、豊かな自然情景にあふれているという点も、実生活と心の中の世界の対称性が見えておもしろい。

 

コウコとさわちゃん、どちらにも共通してキーワードとなるのは「エンジェル」。
熱帯魚のエンゼルフィッシュ

聖書のことば

「天使のような子」

木彫りの天使…。


目の前にいるさわちゃんは、コウコのおばあちゃんの体をした少女。少女のコウコは、少女のおばあちゃんと会話する。時代を超えないパラレルワールド。見えないものの力で、私たちはやはり生かされているのだろうか。

 

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エンジェル・エンジェル・エンジェル (新潮文庫)

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