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青りんごの本棚

~本とごはんとコーヒーと。10代の読書案内~

原田マハ『夏を喪くす』

いい作家は、短編がうまい。

女性作家なら、向田邦子角田光代江國香織、そして原田マハ

原田さんは、長編小説のイメージがあるが短編も好き。

 

無駄な文章をそぎ落とし、ぴたりと当てはまる言葉だけを選び、決められた字数におさめられたシャープで骨太な短編に、スポーツジムでストイックにトレーニングするアスリートの姿が重なる。

いい短編とはそういうイメージ。

 

『夏を喪くす』は、女性を主人公にした4つの短編集。

単行本の『ごめん』のタイトルのほうが好きだったな。

 

もういなくなってしまった人たち、失ってしまった人たちと、

それでも続いているもの、失くせないものがどこかでつながっていて、

だからこそ、いま自分がここに立っている。

 

ひとつ物語を読み終えるごとに訪れるおだやかさと対称的に、心の中に浮かぶしめっぽい景色。

「天国の蠅」がよかったな。たぶん、またいつか読み返す。

いい短編とは、そういうものである。

 

ふと目にした雑誌に投稿されていた作者不明の詩。それは多額の借金をして行方不明になってしまった父との思い出を重ねるものだった。(天国の蠅)

 

*もくじ*

 

天国の蠅

ごめん

夏を喪くす

最後の晩餐

 

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夏を喪くす (講談社文庫)

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