青りんごの本棚

~本とごはんとコーヒーと。10代の読書案内~

S・D・タワー『レイル―王国の暗殺者』

夏休み。子どもたちはお休みで浮かれまくりですが、親は満喫と言うよりも、仕事よりもハードスケジュールだったりして。あちこちと連れ歩き、宿題の手伝いをし、実家に帰り、加えてこの暑さ。 むしろ、ぶっ倒れたい。氷枕を頭に乗せて、何時間も眠り続けたい…。

そんな中「一日子どもたちから解放された~」とすっぴんのまま朝っぱらからお友達がお茶しにやってくる。
「夏休み中にカラオケ行ってグリーを歌いまくろう」と約束しているが、私の都合がつかず、お茶飲んでおしゃべりをして、ウチにある本を何冊か借りていく。
「これって、不思議の海のナディアの原作ですよね」と『海底二万里 』を連れていく。

そんな彼女が最近面白かった本とおすすめしてくれたのが『レイル』

 

レイル―王国の暗殺者

レイル―王国の暗殺者

 

 
親を知らない孤独な少女が主人公。
村に流れ着いた舟に乗せられていた赤ん坊は、レイルと名付けられ養父母に育てられていた。
少女は針を無くしたことで村を追われたレイルを救ったのは、マザーと呼ばれる小国の女王だった…。

面白そうなので、早速図書館検索して予約したのはいいが、この本、なんと

「えっ!?600ページもあるの?児童書なのに?」

ぶ厚い本が好きな彼女は「それがなにか?」と涼しい顔だが、本は持ち歩き派なので、400ページ以上は上下巻とか全4巻シリーズを希望。

とはいえ、600ページを超える重さを感じさせないようなスピーディーな展開にページをめくる手が止まらない。半日で半分読み進めてしまった。(←家事はどうした~)

村を追い出されたレイルの人生が次々と開かれていくような前半、後半の戦争が始まってからのシーンでは忠誠心と愛情の間で葛藤するレイルの心の揺れに読む手が止まりません。特にラストでは、「自分でまいた種は自分で刈り取る」みたいなところが、カッコイイのよ~。

カナダでベストセラーとなったミスティックファンタジー、らしいけれど、美人女スパイ小説であり、恋愛小説でもあり。孤児を集めたスパイ養成学校とか、考えただけで頭ん中エキサイティング。
妄想族の私にはたまらない1冊。