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青りんごの本棚

~本とごはんとコーヒーと。10代の読書案内~

森絵都 『漁師の愛人』

森絵都さんといえば『カラフル』に代表されるような児童文学作家さんのイメージをお持ちの方も多いでしょうが、わたしはセンスのよい彼女の短編が好きなんだよね。

 

 

決められた短さの中で、伝えることを伝え、物語に惹きつけ、すとんと落とす。その絶妙さの心地いいこと。


*もくじ*
「少年とプリン」

「老人とアイロン」

「ア・ラ・モード」

失われたプリンが行き場のない怒りを呼び起こす三部構成のショートショート。少年たちの、ぶつけきれない大人への怒りと、その中で悶絶する姿がぴたりと描かれていて、思わずにんまりとしてしまう。がんばれ少年よ。10代男子にぜひ読んでみて欲しい三部作。

 

「あの日以降」… 東京で共同生活を送っていた3人女子の、東日本大震災以降の生活を描く。住むところも仕事もある。それでも、不安を抱え、何かが終わり、何かを受け入れ、新しい何かが始まる…。

 

「漁師の愛人」… リストラされ、実家に戻り漁師になる男と共に何もない港町に暮らす愛人・紗江。あるのは、妻の円香からの電話と愛人を拒む地元の女たちのねめつけるような視線…。

プリンシリーズ3編は、ショートショート。ほか2編は中編です。

 

 

漁師の愛人 (文春文庫)

漁師の愛人 (文春文庫)