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青りんごの本棚

~本とごはんとコーヒーと。10代の読書案内~

上橋菜穂子 『精霊の守り人』

 

精霊の守り人 (新潮文庫)

精霊の守り人 (新潮文庫)

 

 

女用心棒バルサは、新ヨゴ皇国の第二王子チャグムの命を偶然に助けたことで、王妃からチャグムの用心棒を頼まれる。
チャグムの体にある変化が起こり、そのことで命が危うく、また父である王からも命を狙われていた。
チャグムに何が起こっているのか?それは、タイトルをヒントに本を読んでもらうとして。

主人公が三十路の女用心棒だなんて、児童向けファンタジーとしては異色。
養父であるジグロに武術士として鍛えられたバルサにも、また秘密があったり。

人間の住む世界「サグ」と精霊の住む「ナユグ」。

目には見えないけれども隣り合うふたつの世界を行き来するファンタジーであるが、今の私たちの暮らしからかけ離れた別の世界の出来事というのではなく、自然と共存している私たちの血の中にずっと流れていたような、物語にどこか懐かしさを感じるから不思議。

チャグムを守るためにバルサが短槍で戦うシーンの躍動感にハラハラし、それまで守られるだけだったチャグムの成長にぐっときて、バルサの恋バナもちらりと見えて、そのリアルさにも心をつかまれちゃったりして。

謎を解き、格闘し、成長しながら物語を進めていくファンタジーのおもしろさは、ロールプレイングゲームっぽい。ドラクエ好きなら「絶対におもしろいから、だまされたと思って最後まで読んでみな」とおすすめしてまちがいない。小学校高学年~大人まで楽しめます。

小学生には、文字も大きめでひらがなの多い偕成社ワンダーランド単行本を、中学生~大人の方にはペーパーバックの軽装版をおすすめします。軽装版の方が漢字も多く読みやすいかもしれません。持ち歩きやすいサイズでもあります。

私は、ガッチリと重厚な単行本が好みなので、ワンダーランドで読みました。ワンダーランド版には、ファンタジー好きの必須アイテム(?)である、地図や相関図なども記載されていますよ。

 

おすすめポイント

守り人シリーズ第1弾。

◇野間児童文芸新人賞

産経児童出版文化賞

路傍の石文学賞を受賞

◇光村図書小学6年生国語教科書、巻末付録「この本、読もう」で紹介

 

上橋菜穂子を読む

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