青りんごの本棚

~本とごはんとコーヒーと。10代の読書案内~

小手鞠るい 『思春期』 

これは、ある女の子の中学1年生から3年生までの物語。

彼女は学校も自分のことも好きではない。特別な理由はないけれど。


「未来は明るい」なんてだれが決めたのでしょう

 

 

十二歳、中学一年生のわたしの私は、学校が好きではありません。学校へ行くときは、気分が重く、体も重く、かばんも重く、足どりも重くなります。行きたくないのに、行かされている感じは「奴隷みたい」だと思ったりしながら、毎朝学校へ向かいます。

いじめにあっている、というわけではありません。
活発でもない、積極性もない、協調性もないわたし。まわりの人たちがみんなわたしよりも頭がよくて、勉強がよくできるように見える。心にある不安をまとめるなら、こんな感じです。

こんな暗い少女のわたしには、「明るい未来」なんてないもののように思えます。こんなわたしが、自分と向き合い成長してゆく物語です。


主人公「わたし」は未来のわたし

 

自分のできないことばかりが目について、そんな自分がきらいな「わたし」の気持ちがわかるという人も多いかもしれませんね。この物語で描かれている「わたし」は、実は作者・小手鞠るいさんの中学時代の「わたし」です。小手鞠さんは、あとがきの中でこう語ります。

 

中学時代の私は、こんな「わたし」でした。劣等感と自己嫌悪のかたまりで、うずまき眼鏡をかけて、本ばかり読んでいた、くらい少女だったのです。(中略) 「わたし」は暗い少女を卒業し、劣等感と自己嫌悪から抜け出すことができたのでしょうか?

 

その答えは、本を読んでもらうことにして、ヒントを。
暗い少女が劇的に明るく変化するようなドラマチックな物語ではありませんが、前向きなメッセージを届けてくれます。
わたしに、どんな出来事が起こり、どんな気持ちの変化があったのか、感じとってみてください。

 

おすすめポイント

◇女の子におすすめ

◇読書感想文にもおすすめ

 

本をチェックする

 

思春期

思春期