青りんごの本棚

~本とごはんとコーヒーと。10代の読書案内~

池井戸潤『下町ロケット』

sakuhinn  

予約で半年以上待たされた。
「首を長くして待たされたんだもの、じっくり味わって読もうっと」

などとかわい子ぶった甘い思惑は宇宙の果てまで飛んでいけ~。

期待以上におもしろくて、2日で一気読み。さすが直木賞受賞作。 

下町ロケット (小学館文庫)

下町ロケット (小学館文庫)

 

 

プロローグを読み始めてすぐに、この作品を選んだのは失敗だったと思った。
物語のスタートである、ロケット発射の失敗のことではない。「宇宙科学開発機構主任」とか「一番液体酸素系準備完了」とか「振動数超過」とか「駆動用電池起動」だとか、やけに長い漢字が多く何のことかさっぱりわからない。

(何しろこうしてキーボードを叩くだけで四苦八苦している)

 

小惑星探査機「はやぶさ」の奇跡」のようにロケットエンジン開発のうんぬんなんて本だったら最後まで読めるかしら…と少し尻ごみしたものの、サスペンスのようなドキドキする展開にページをめくる手を止められず、あっという間に読み終えた。

 

文中に何度も出てくる「これはビジネスだ」の言葉が胸をつく。
えぇ、わかってます。

これはビジネスであり、フィクション!
私とは何の接点もないはずの、水素エンジンやら宇宙工学やら経済やらビジネスやら男のプライドやら…そう、私には到底理解できないだろう事柄をふんだんに盛り込んでいるはずなのに、どこかコメディチックなテンポにさくさくと乗せられて、気が付いたら佃製作所のペースに私までハマっている。


大手メーカ帝国重工の落としのテストにズタズタにされた若手社員たちが「佃品質。佃プライド。」のポスターを掲げるシーンでは、思わず涙。

男のプライドなんか知るかよ!!という私ですらノックアウトされるんだもの、中小企業で頑張ってる社員の皆さんは、こぶしを握って応援したくなるんだろうなぁ。

 

中小企業が大手に屈することなく、プライドと夢を持って真っ向勝負する姿は実に爽快。

 

おすすめポイント

 

◇第145回(平成23年度上半期) 直木賞受賞作

◇ドラマ化原作

下町ロケット -ディレクターズカット版- DVD-BOX

下町ロケット -ディレクターズカット版- DVD-BOX

 

 阿部寛さんのイメージがぴたりすぎるドラマ化。

このドラマ以降、池井戸作品のどこかに阿部寛の姿を探してしまう( *´艸`)

「連続ドラマW」では三上博史さんが主演しています。