青りんごの本棚

~本とごはんとコーヒーと。10代の読書案内~

濱野京子『その角を曲がれば』

女の子は3人集まると難しい、と相場が決まっている。

ふたりだけならたいした喧嘩にもならない、5人以上ならもっと気楽にやれるのに、とため息をつく。(だろう) 

 

本が好きな杏、バドミントン部のエース・樹里、甘えっ子キャラの美香。

クラスでは“仲良し3人組”だけど、ときどきお互いの気落ちが読めないときがある。受験、恋、家族、友情……三者三様の思いを抱いて過ごす、中学生活の一年を描く。 

 

だれかにとって自分が特別でありたいという感情は、特に女の子に強い。女の子にとっては恋愛においても友情においても同じ。

できれば、誰にとっても特別でありたいとさえ思うのだから、困ったもんである。

仲のいい子はたくさんいても、自分が彼女にとって一番の親友でありたいのだ。

友だちだから、理解したいし、理解してほしい。自分のことを大切に思ってほしいし、秘密を打ち明けてほしい。


友情の中で、知らずに傷つけあったり、悩んだり、何かを選んだりして「自分」を探しながら成長する、そのバランスが絶妙で、まるで恋愛小説を読んでいるかのように切なく、軽い息苦しささえ覚える。

 

同じ道を通いあった友だちが、同じ角を曲がり、そこからそれぞれの道を歩き出す。


義務教育を終えるって、そうして自分の道を歩いていくことなのだと、あの頃はその意味を知っていただろうか。

なんてことを、しんみりと切なく感じる読後感。

 

おすすめポイント

◇中学生の女の子におすすめ

 

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その角を曲がれば

その角を曲がれば

 

 

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