青りんごの本棚

~本とごはんとコーヒーと。10代の読書案内~

つなみ―被災地の子どもたちの作文集 完全

東日本大震災から1年。
数週間前から、このフレーズをあちこちで耳にしますが、聞くたびに頭がくらくらする。

 

私に必要なのは、前を向くこと。考えすぎないこと。
大事なのは、知ること、忘れないこと。

 


3月11日以降、それはたくさんの震災関連の本が出版されました。文字で語られる書籍は、そのままをうつす写真と違い、著者の意図が強く反映されすぎて、中には事実が見えづらいと感じるものもありました。

 


2011年6月に発売し、18万部のベストセラーとなった文藝春秋増刊「文藝春秋増刊「つなみ 被災地のこども80人の作文集」 2011年 8月号」。

大宅壮一ノンフィクション賞を受賞した本作品に、福島県警戒区域に育った子どもたち、30人の作文を加えたものが完全版として出版されました。

 

企画・取材・構成は、ジャーナリストの森健さん。子どもたちに作文を書いてもらおうという企画は、吉村昭氏の『三陸海岸津波』にヒントを得たそうです。

三陸海岸大津波 (文春文庫)

三陸海岸大津波 (文春文庫)

 

 

吉村さんは、震災後バラバラになった人たちを追い、あちらこちらと、一軒一軒、足で歩いてはなしを聞いて回り記録を集めました。ものすごい労力だと思います。(短時間でたくさんの情報を集めることのできるインターネットの便利さを痛感しますね)

 この本の中に「子供の眼」という章があり、子供たちの綴った作文が収められています。

 

この地震津波の凄まじさと怖さをいかに伝えるか。森さんは、避難所を中心に回り、主旨を説明し、「書きたい」という子に原稿用紙と鉛筆を配りました。こうして集まったのが、この本に収められた80の作文です。数字だけでは計れない、この地震の被害状況がここに書かれています。

 

ほとんどの作文が、原稿用紙をそのままコピーし、子どもたちの書いた文字で掲載されています。小さい子供たちも一生懸命気持ちを伝えています。こわかったこと、よる眠れなかったこと、つなみが黒くてくさかったこと。ボランティアや支援してくれた方への感謝の気持ちを綴った作文が多いのに心打たれました。

本当にいい子たちばっかりだ。

 

おすすめポイント

東日本大震災について知る本

◇震災・復興について考える本

◇東北の本

 

 

つなみ―被災地の子どもたちの作文集 完全版

つなみ―被災地の子どもたちの作文集 完全版