読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

青りんごの本棚

~本とごはんとコーヒーと。10代の読書案内~

米原万里『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』

タイトルが気に入って、小説なのかノンフィクションなのかも知らないままに読み始めましが、期待以上に面白かった。

(同じ喜びを味わいたい方は、ここから先は本を読んでからどうぞ)

 

米原さんのことをこの本で初めて知りました。通訳でありテレビのコメンテーターとしても活躍されていた米原さん。がんを患い2006年に亡くなりました。

 

まずは、リッツァのオープンな性の話題にまずぶっ飛びます。リッツァが遅刻してきたのは、朝っぱらからママとパパがおっ始めちゃって朝食からゴミ出しまでしなきゃならなくなっちゃったそうで、「もうイヤんなっちゃう」だって。ビエト学校に通う子どもたちの個性的なこと。

どの子も、それぞれの国を代表するかのような小さな愛国主義者たち。政治が自分たちの生活にダイレクトに影響を及ぼすことをちゃんと知っているからでしょうか、政治への関心度の高さに驚かされます。


米原万里さんは、ロシア語会議通訳であり、エッセイスト。共産党員だった父の(お父様と言いたくなりますが)仕事の都合で、1959年~64年までチョコスロヴァキアの在プラハソビエト学校に通っていました。そのころの学校には、いくつかの社会主義国から子どもたちが通っていました。

 

ソ連崩壊が起こったのが1991年、計算してみると現在の10代はまだ生まれていないことになりますね。ベルリンの壁の崩壊やチェコ・スロヴァキアの分裂を10代でリアルに見聞きしていましたから、ちょっとしたジェネレーションギャップを感じずにはいられませんが。

 

その歴史の中に生きていたとはいえ、社会情勢にとんと疎い私。いかにして社会主義国たちが崩壊への道をたどったのか、なんてことはさっぱり(^_^;)。当時の社会主義国は、ベールに包まれた霧の中の存在という感じでしたが(現在も北朝鮮なんかはそんな感じだけど)、その内側をどうぞ~と見せてくれてます。ある意味、暴露本を読むような感じ。とても興味深く、笑いあり、おもしろくて勉強になる。しかも通訳をされていた方だけあって、文章力も抜群です。こんな本なかなかないです。

 

なぜこんなに子どもの頃の記憶が細かなまま残っているのだろう

なぜこんなに日常のエピソードが面白すぎるのだろう

繊細な観察眼と豊かな表現を持つ彼女のような女性に憧れる。

 

本をチェックする

 

嘘つきアーニャの真っ赤な真実 (角川文庫)

嘘つきアーニャの真っ赤な真実 (角川文庫)

 

 

こちらもバイブル

打ちのめされるようなすごい本 (文春文庫)

打ちのめされるようなすごい本 (文春文庫)