青りんごの本棚

中学生・高校生におすすめの本をあつめています

桜庭一樹『私の男』

単行本の表紙を一瞥しただけで、「子どもお断り」のオーラが出ているこの本だが、金原瑞人さんが、「もしできるなら中学生の時に読んでみたかった」として、紹介していたので、その視点から、おすすめしてみたいと思う。ただし、絡みの苦手な方にはおすすめしませんので、もう少し大人になってからどうぞ。

 

9歳の花は震災で孤児となり、遠い親戚にあたる25歳の淳悟に引き取られた。家族になったふたりは、同じ秘密と罪を抱えた、血を分けた親子だった。


家族とはなにか。愛とは何か。歪んだ合いに囚われた二人は、乱暴にそして祈るように、お互いを絡ませ合いながら奈落の底に落ちてゆく。純粋で激しく、美しくも危うい、この歪んだ愛のゆく道は・・・。

 

家族だからこそ、家族にしか求められない愛がある。
愛を求めることは、自分を求めることに似ている。(もしかしたら同じことなのかもしれないが、それはまだ研究中)家族の愛を求めることは、家族の中に自分の存在を探すことにつながる。

 

嗅覚をフル回転させるような、とても匂いの強い作品です。激しい愛の物語でありながら、全編を通して、ひんやりとして暗く、湿ってすえるような匂いが漂っている。まるで押入れの中にいるみたいに。それは、この作品のテーマでもある愛の罪の匂いなのかもしれません。

 

おすすめポイント

◇第138回直木賞受賞

◇映画「私の男」原作

主演:浅野忠信二階堂ふみ

原作とは時系列が逆に進みます。

原作から読めること、映画から見えてくることがそれぞれあって、どちらも見てよかったです。

+15R指定ですのでご注意を。

 

 

私の男 (文春文庫)

私の男 (文春文庫)