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青りんごの本棚

~本とごはんとコーヒーと。10代の読書案内~

ロバートウェストール『かかし』

恐怖の対象は、突然現れることで驚かされるものもあるが、

じわじわと迫りくるのもまた、怖いものである。

カーネギー賞を二度受賞する、イギリス児童文学の巨匠・ロバートウェストールの「かかし」でじわりと迫りくる恐怖の正体はなんなのか。

 

寄宿学校に通うサイモン。
軍人だったパパはとっくに亡くなっているが、サイモンにとってはいつまでも英雄だ。
参観日にママが一緒にやってきたのは男は、頭ははげかかっていて、あごには黒いひげ、脂肪のない筋肉腹をせり出し、白いレンジローバーを乗り回すチンケな男。
その売れっ子の画家ジョーモートンとママは再婚し、サイモンは夏休みをそいつの家で過ごすことになった。
サイモンはそこで古い水車小屋を見つける…。

 

夏休みにジョーの家へ行くまでが少し退屈だけど、水車小屋を見つけたところから物語は邪悪な匂いがしはじめる。腐った水たまりのような匂いのする水車小屋。突然あらわれた三体のかかし。水車小屋にまつわる昼ドラのようなドロドロ事件。

 

まるでデブゴリラのジョーのことがますます嫌いになるし、ジョーにべったりの妹もうざったい。大好きなはずのママすら売春婦呼ばわりしちゃう。サイモンが家族の中で孤立していくにつれて、不気味なかかかしがなぜか家に近づいてきて…。

かかしが近づいてくるのも怖かったけど、サイモンがずぶずぶと悪意にしずまっていきそうなところが怖かった。

でもなぁ、本当にママがいじわるになってくるんだもん。


「わたしはあなたが生まれるのを見たわ。わたしの体から出てくるのをね。でも誓ってもいいけど……あなたにはわたしの血は一滴も混じってないわ。あなたの体を流れているのは全部ウッド家(元旦那)の血よ。」なんて言われたらそりゃあ、サイモン粉砕でしょ。゚ヽ(゚`Д´゚)ノ゚。

サイモンは悪意に満ちたかかし隊から逃れることができるのか…。

 

おすすめポイント

カーネギー賞受賞

 

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かかし

かかし